■なぜか恋愛では踏み込みが弱い一歩! 『はじめの一歩』公園での告白
森川ジョージ氏の名作ボクシング漫画『はじめの一歩』でも、主人公・幕之内一歩と間柴久美の仲がなかなか進展しない。誰がどう見ても相思相愛なのに、超が付くほどの奥手な一歩がどうしても踏み込めないのだ。
ボクシングでは強烈な相手を前にインファイトでどんどん踏み込んでいくのに、肝心の久美の前では消極的な一歩。まあ、お兄さんがあのフリッカー使いの間柴了だしな……かなり怖いしちょっとかわいそうな気もしてしまう。ただ、そんな2人にも恋愛成就しそうになったシーンがあった。
コミックス33巻にて。一歩は所属する鴨川ジムの面々と腕相撲で勝負し、負けたら久美に告白することになってしまっていた。鷹村守に負けたことになった一歩は愛犬・ワンポを連れて久美と公園に出かける。雪も降るなか良い雰囲気になり、ここで告白しようと一歩は決意した。
勇気を振り絞り、ついに「久美さん…」「あの、その」と切り出すも言葉に詰まる一歩。久美は「幕乃内さんから言ってください」と、言葉を待っていたのだが、ようやく一歩が発した言葉は「4月に試合がありましてですね…」であった。これにはワンポもずっこけるほど。いやいや、完全にOKをもらえただろうに……。
奥手な一歩らしいといえばそうだが、ずっと待っている久美の気持ちを察してあげてほしい。ハッキリと言葉にすれば間柴兄も認めてくれるだろうと思うぞ。
漫画に登場する恋愛成就しない主人公カップル。ヤキモキする人もいれば、キュンキュンする人もいるだろう。実際、両想いの状態は、はたから見れば一目瞭然でも当事者としては一歩のように今の関係を壊したくなくて不安になってしまうものだろう。
『はじめの一歩』はまだ完結していないだけに、一歩と久美は早く結ばれてほしいものだ。だが、お兄さんがどう出るかも見ものだな。