■いまやおなじみの顔に!『名探偵コナン』の白鳥警部

 ここからは番外編的に、劇場版から逆輸入されたキャラを紹介していこう。まずは、『名探偵コナン』の白鳥警部だ。現在では原作にも登場する白鳥警部は、実は初登場が劇場版作品である。彼が登場したのは、記念すべき劇場版第1弾『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』だ。

 この作品で警部補として登場し、その怪しい雰囲気から連続爆破事件の容疑者の一人だった白鳥警部。終盤では毛利小五郎の迷推理によって犯人として名指しされるなど、散々な目に遭ってしまう。インテリで鼻につく性格で劇場版おなじみのキャラクターとなった彼だが、原作21巻でついに逆輸入されることになったのだ。

 今では小林先生という恋人もできて、原作にも頻繁に登場するキャラクターとなった。そんな白鳥警部が映画オリジナルキャラクターだったことは、意外と忘れている人も多いのではないだろうか。

■なかなか珍しいパターン?劇場版『ドラゴンボール』のブロリー

ドラゴンボール』のブロリーは、実に不思議な経緯のあるキャラだ。もともとは映画オリジナルキャラであり、『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』で登場して以来、ファンの間でも高い知名度と人気を得ていた。

 90年代の『ドラゴンボール』シリーズの劇場版は、オリジナルキャラが敵役として登場するのが定番だった。クウラ、ターレス、ヒルデガーンなど、名キャラをいくつも生み出している。

 ブロリーもそんなキャラたちと同様、一度しか登場しないはずのキャラだったが、転機が訪れたのは鳥山明さんが監修した『ドラゴンボール超 ブロリー』。本作でメインキャラとなり、再び活躍を見せることとなったのだ。

 その後の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』でも登場して、すっかりおなじみのメンバーとなったブロリー。白鳥警部と違う点は、鳥山さんが新たなキャラクターとしてリメイクしたことだ。登場シーンやキャラ設定なども変更され、デザインや特徴を踏襲しつつ新たな存在として生まれ変わっているのも、なかなかに珍しいパターンだろう。

 

 アニメの劇場版作品には、原作に登場したと錯覚してしまうほど強い印象を与えるキャラが登場することもある。こうした名キャラが生まれるのも、アニメの劇場版の魅力の一つだろう。

 また、その人気ゆえに逆輸入されて、原作とアニメの垣根を超えたキャラもいる。こうした展開も劇場版の面白い所だ。原作ファンにもアニメ版のファンにも愛されているキャラたちに注目すると、さらにその作品の世界観を楽しめるだろう。

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