■最強であり、逃げられないラスボス
そして、なんといってもプレイヤーを苦しめたのが、これまでに倒した七英雄が合体して襲ってくるラスボスである。ラスボスの合体七英雄はこれまでの七英雄たちが得意としていた技を使用してくるが、中でもロックブーケが使用し、男性キャラを魅了する技「テンプテーション」とクジンシーが使用し、対象キャラを即死させる技「ソウルスティール」に苦しめられる。
同作では、技の閃きだけでなく敵の技を受けたときに一定の確率でその技を「見切る」というシステムも存在した。見切った敵の技は技道場に登録され、すべてのキャラクターに見切りを伝授することができた。テンプテーションやソウルスティールも見切ることができ、見切りを持っていれば技を100%回避できる。
だが、その技を見切っていなかったり、見切っていても技道場で伝授していないままラスボス戦を迎えたりすると、勝てる望みは皆無に等しかった。
そして、勝てないからと諦めて、もっとキャラクターを強化して出直そうと思っても、本作での「どこでもセーブができる」という便利機能の罠にはまることになる。これがスーファミ時代の伝説と言ってもいい「詰み」要素だ。
合体七英雄と戦いの直前でセーブしていると、ラストダンジョンを脱出できなくなるのである。
合体七英雄はスーファミRPGの中でもトップクラスに強いラスボスであり、必要な技の見切りを持っていなかったり、アイテムや術が足りないと全く歯が立たない。そのため、負けたプレイヤーはパーティを強化しようと一度引き返そうと階段を降りていくが、その瞬間に「…逃さん…お前だけは…」というメッセージが出て帰れなくなってしまうのだ。ラスボスを倒すこともできず、かと言って戻って鍛えることもできず……と、プレイヤーは最初からやり直しするしか手がなくなってしまう。
このラスボス戦の前には親切に「この先は引き返せないぞ」という警告が出るが、まさか本当に引き返せなくなるとは、と絶望を味わった子どもたちは多かったに違いない。
以上、『ロマサガ2』で詰んでしまうポイントを紹介させてもらったが、今回のリメイク版では難易度を調整できる要素も用意されている。当時途中で投げ出してしまったプレイヤーは、再度この名作に挑戦してみてはいかがだろうか。昔の自分も報われるかもしれない。