2024年10月24日に『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(スクウェア・エニックス)のタイトルでフルリメイク版が発売される、スーパーファミコンの名作『ロマンシング サ・ガ2』。プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝を操作し、数世代に渡ってかつて世界を救った七英雄と戦いを繰り広げていくという、壮大な物語を描くRPGだ。
スーファミ時代の名作として評価される一方、その難しさから当時は多くの子どもたちが挫折した作品でもあった。今回はそんな『ロマサガ2』のムズすぎた思い出を振り返っていきたい。
■逃げれば逃げるほど「強くなるザコ」
『ロマンシング サ・ガ2』は、自由な冒険を楽しめるフリーシナリオを採用していることもあり、エリアごとに出現するモンスターが変わっていくものとは違い、自身の戦闘回数に応じてザコ敵のレベルが変わっていく面を持つ。序盤は簡単に倒すことができるザコ敵も、こちらが強くなるのにつれて強くなっていく。
きちんと敵を倒してこっちも強くなっていれば問題はない。『ロマサガ2』では基本的にボス以外の敵からは簡単に逃げることができるのだが、実は戦闘回数は逃げてもカウントされていくのだ。
ちょっとでも敵が強いと逃げていくといったプレイを繰り返していると、いつの間にかザコ敵に勝てないほど実力差が開いてしまうということがよくあった。一撃でHPの最大値999を上回る1000以上のダメージを叩き出してくるザコ敵に啞然とさせられるとともに、理不尽さを覚えたプレイヤーも少なくなかった。
■閃きシステムの快感と罠
『ロマサガ2』からサガシリーズに導入された、武器で敵を攻撃すると一定の確率で技を閃くという「閃きシステム」。ピコーンという音とともにキャラクターの頭上に電球が点灯し、新たな技を閃いていく。
強力な敵と戦えば戦うほど強力な技を閃くことができ、剣や槍など武器の種類ごとにバリエーションに富んだ技があったことで、当時のプレイヤーは、快感に溺れ、次々といろんな技を閃くべく、武器を振りまくっていた。強力な大剣技「無明剣」や槍技「無双三段」などを閃いたときの興奮は筆者も忘れられない。
ただ、このシステムには快感だけでなく罠もあった。当時、プレイヤーの多くは術に頼らず、ただひたすら強力な技を覚え、その技によって、敵を倒していったに違いない。
しかし、実は終盤になると技以外にも術の力に頼らなければならない場面が多く出てくる。特に「ソードバリア」「金剛盾」「リヴァイヴァ」といった補助術や合成術「エリクサー」といった最強の回復術などがないと攻略が困難だとわかる頃には、同時に全然術レベルを上げていなかったことにも気づく。
泣きながら弱い術を使い、術レベルを上げていったプレイヤーも多かったことだろう。