■彼女がいなければハッピーエンド!? 『東京ラブストーリー』有森也実さん

 柴門ふみさんによる漫画が原作の『東京ラブストーリー』は、1991年1月よりフジテレビ系列で放送されたドラマだ。主役のヒロイン・赤名リカを演じたのは鈴木保奈美さん、彼女が愛した永尾完治(通称カンチ)を演じたのは織田裕二さんだ。

 物語は、田舎から上京し都会の営業部で働くカンチが、奔放で天真爛漫なリカに振り回されていく展開が続く。カンチは真っすぐな思いをぶつけてくるリカに惹かれつつ、高校時代の同級生・関口さとみのことが忘れられない……というストーリーだ。

 このさとみを演じたのは、ほんわかした雰囲気が可愛らしい有森也実さんだ。さとみはカンチから思いを寄せられるだけでなく、同じく同級生の三上(江口洋介さん)とも付き合っていたりと、とてもモテる。

 性格の悪い悪女ならまだしも、さとみは優柔不断な性格で、カンチの心をかき乱していく。そんな彼女に対し、2人の関係を邪魔する“ぶりっこな女性”と、反感を持つ視聴者も多かったようだ。

 当時の状況を有森さんは、“新宿駅で石を投げられたり、ファンレターにカミソリが入っていたことも普通にあった”と語っている。しかし何かと当時のことは話題になるため、そこまでインパクトのある役を演じられたことに今では誇りを持っているそうだ。

 その後、有森さんは数多くのドラマに出演し、現在では舞台俳優としても活躍中。最近でも、役作りのために金髪ショートにした姿が話題になっており、今なお多方面で私たちを楽しませてくれている。

 

 90年代ドラマを彩ってきた「嫌われキャラ」たち。しかしその憎らしい演技は物語を盛り上げるのに必要不可欠であり、彼女たちの知名度を高めるきっかけにもなっていた。

 今でも語り継がれるほどの嫌われキャラを演じきった彼女たちは、女優としてゆるぎない覚悟と高い演技力を持っていると言えるだろう。

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