■どうやって攻撃するの? 商人の魂を武器に変えた「せいぎのそろばん」

 続いて、ファミコン版『ドラクエ4』から登場した「せいぎのそろばん」だ。

 これはもちろん、商人であるトルネコ専用の武器であった。長い棒の先端にそろばんが付いているデザインで、これで敵を叩きのめすのだと思われる。しかし商人の魂ともいえる「そろばん」で攻撃するなんて……いや、計算高いのが商人なので問題ないのか。

 初見プレイ時にはトルネコ用に手にしたくなる武器でもある。実際、第3章では「はじゃのつるぎ」を購入することも可能だったが、「レイクナバ」でバイトを続けていないと難しいので、これを買って装備させたものだ。

 ちなみに、リメイク版の『ドラクエ3』で「せいぎのそろばん」は、最強クラスの武器になっていた。攻撃力も高く、置き去りにしてしまう商人が半端ない強さとなってしまうほど。

 修行僧の錫杖とイメージが近いが、商人であるトルネコが持つと金儲けのツールに見えて仕方ない。それにしても「そろばん」が武器だなんて、モンスターから下手に見られてしまいそうだが……。

■抜群のネーミングで攻撃力も素晴らしい! 憧れの武器だった「ドラゴンキラー」

 最後は、ファミコン版『ドラクエ2』から登場した「ドラゴンキラー」だ。

 ドラゴンの分厚い皮膚を貫くほどの威力を持つ武器で、ネーミングもカッコ良い。シリーズを通して登場し、高価格なのも特徴である。作品によって特殊効果はないのだが、のちのシリーズになるほどドラゴン系に大ダメージを与える武器になっている。

 これは「てつのつめ」のように手をすっぽりはめて装着するので、実際には剣ではない。『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』では、主人公・ダイがベンガーナに侵略したドラゴンたちと戦うため装備していた。

 あのシーンを見ても分かるように、炎を吐くドラゴン相手にリーチの短い接近戦で挑むことになるのだから、よほど腕のある冒険者でないと宝の持ち腐れとなりそうだ。デザインもカッコいいので、モンスターからすると装備した相手が強そうに見えて仕方ないだろう。

 

 さて、『ドラゴンクエスト』シリーズには、ほかにもネーミングから想像できないデザイン性の武器や防具がたくさん登場した。いずれも勇者たちの冒険を彩る面白いものばかりだ。『ドラクエ』にはまだまだ面白い武器や防具がたくさん登場しているので、また機会があれば紹介していきたい。

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