『ドラゴンクエスト』シリーズには多くの武器が登場する。説明書や攻略本のイラストを見て、思わずカッコいい! とワクワクした武器もあるだろう。武器のイメージが付けば、よりいっそう冒険の楽しみが増えるものである。
ただ、なかには「本当に戦えるのかコレ……?」というデザインの武器もあった。そこで今回はモンスターすらびっくりしそうな、『ドラクエ』シリーズの「見た目から個性的な武器」を挙げてみよう。
■これって武器? モンスターからは死角になりそうな「おおばさみ」
まずは『ドラクエ3』で登場した戦士専用の「おおばさみ」だ。攻略本によると、二の腕にしっかり固定してレバーを握り、肘のあたりから伸びる大きなハサミでモンスターを攻撃するという。
カッコいいような、でもちょっと無理があるような、そんな不思議な気持ちにさせてくれる武器だが……正直、ちょっと使い勝手が悪そうである。
通常、敵を攻撃するときには、相手に対して真っ直ぐかフックのようにパンチを放つものだ。しかし、この武器は肩から肘にかけて平行に伸びていることもあり、モンスターの正面にハサミの開いた部分を持ってこようとすると、常にエルボーを放つような姿勢を維持しないといけない。
しかも、かなり重そうである。いわば筋トレまがいの武器なのだが、なるほど……それで戦士専用なのかもしれない。とはいえ、モンスターからすれば「大丈夫か? コイツ……」なんて心配されそうだ。
ファミコン版では「アッサラーム」や「イシス」で購入できるのだが、このエリアには強敵「じごくのハサミ」が出現する。守備力の高いカニだが、どっちの“ハサミ”が強いか勝負してやりたくなるものだ。
■非力な人でも扱えるがちょっと危ない?「モーニングスター」
次は、ファミコン版『ドラクエ4』から登場する「モーニングスター」だ。
棒状の持ち手の先から鎖が伸びており、先端にはトゲのある鉄球が付いている。これを振り回し、モンスターにダメージを与えるのだ。
初登場時は敵単体にしかダメージを与えられなかったが、以降の作品ではグループ攻撃が可能となった。攻撃力も高く、僧侶系の武器としてのイメージが強い。非力なタイプの仲間でも活躍できる代物だ。
この武器は鉄球を振り回し遠心力を利用してダメージを与えるのだが、リアルに装備したときを考えてみると、周囲への警戒を怠ってはいけない武器だろう。味方との距離が近いと誤爆してしまう可能性があるのだ。戦士や勇者の後頭部に鉄球が直撃するかもしれないので、ちょっと危険に感じてしまう。味方に当たった日には……モンスターも呆気にとられてしまうだろう。
そういえば北条司氏の漫画『シティーハンター』では、槇村香が「モーニングスター」に似た「こんぺいとう2号」を使って、天誅とばかりに冴羽獠に巨大鉄球を食らわせていた。しかも持ち手は鎖鎌になっている。鉄球が壁にのめり込んでいるシーンや、トゲが刺さったシーンもあったな。なるほど、非力な女性でも扱えるのは間違いなさそうだ……(香は別かもしれないが)。