■バカっぽさはファミコン版のまま、一揆の連帯感を味わえる令和版
では、令和に復活した『いっき団結』の話に移りましょう。16人同時プレイで話題のオンラインマルチプレイを紹介する前に、まずはどんなゲームなのか、ファミコンの『いっき』と比較しながら説明します。なお、オフラインのシングルモードもあり、“ひとりで一揆”もできますのでご心配なく。
ファミコン版『いっき』は、草刈り鎌を投げて敵を倒し、悪代官を捕まえようと、田んぼや代官屋敷などの全8ステージに挑戦する内容でした。
対する『いっき団結』では、攻撃は自動で行われ、プレイヤーは移動の操作のみでOK。ファミコン版にはなかったサブ武器やスキルもありますが、すべて自動で使用されるのでラクチンです。これだけでもクソ難しい『いっき』のイメージが、一気にやわらぎませんか?
また、ステージの概念はなく、大きなマップ上を移動しながら、エリート撃破などの条件をクリアするたびに「章」が進み、ラスボスとして悪代官が登場する構成です。
ファミコンではふたりの村人が主人公でしたが、今回は忍者や大名、吟遊詩人などなど、タイプや武器の異なる16人がプレイアブルキャラとして用意されています(農民一揆なのに……笑)。
いざ遊んでみると、彼らが団結してチマチマ・ワラワラと行動する眺め、そして連帯感が楽しい! とくにマルチプレイでは、少人数では使命感に燃えたり、フルメンバーでは心強さを覚えてわちゃわちゃはしゃいだりと、いろんな絆を味わえます。シングルプレイでも、ゲームを進めるうちに仲間を雇う機会があり、数名で連なって一揆することもできますよ。
ここまでのインプレッションをまとめると、バカゲーぽさはファミコン版のまま。でも理不尽なクソ難しさはなくなり、ひとりでのクリアは難しいという“一揆”のリアルが反映された作品……それが『いっき団結』です。ちなみに、ビジュアルやBGMは、だいぶ洗練されてはいますが、ファミコン版の雰囲気を伝えてくれます。
■オンラインゲームと距離を置く人にこそ試してほしい「16人での協力プレイ」
さて、注目のオンラインマルチモードですが、この気楽さはいわゆる“エンジョイ勢”向き。元祖『いっき』世代で、「最先端のオンラインゲームについていけない」なんて人でも心配いりません。
攻撃がオートなので、基本的にはエリート討伐の際、仲間と一緒に敵のそばにいれば貢献できます。また、人数が揃わないと撃破が難しいため、ある意味、参加するだけでほかのプレイヤーからありがたがられちゃう。ですから、オンラインゲームのチーム戦などで、ほかのプレイヤーに迷惑をかけないかと気兼ねしたり、対人関係に疲れてしまったりしたことのある人にこそ体験してほしい!
攻撃型、回復型といったロールはありますが、抽選で割り振られるため自分で選べるワケではありませんし、回復スキルなども自動的に発動するので、そこまで気を使わなくても役目を果たせます。大事なのは、ほかのプレイヤーと団結してそこにいること、です。
クリアのためにも、ワイワイ楽しむためにも、大勢で集まることがいちばんのポイント! しかし、毎回16人も揃うかというと、なかなか難しいでしょう。なので、大勢のプレイヤーがログインするであろう、パッケージ版発売からが狙い目です! 16人で一揆したいなら、いますぐ参戦ですよ~。
最後に。マルチでもシングルでも、クリア自体はすぐに達成できると思いますが、裏面や実績解除などお楽しみがいろいろ用意されています。そしてなにより、その場限りの連帯感がすがすがしい! 筆者もほぼ毎晩、遊び続けています。