「伝説のクソゲー」がまさかの復活…最新作『いっき団結』は本当に“大丈夫”なのか?【新作ゲームプレイリポート】の画像
『いっき団結』(サンソフト)  (C)2024 SUNSOFT

 1985年にファミコン用ソフトとして発売された『いっき』(サン電子)。“伝説のクソゲー”として、現在にまで語り継がれるタイトルでもあります。一揆なのにひとりで戦う(※ふたり協力プレイは可能)など、ツッコミどころ満載のアクションゲームでしたが、約40年を経て、今度は最大16人で同時プレイできるオンラインモード搭載の『いっき団結』としてリブートされました。

 すでにダウンロード版が先行販売されていましたが、9月19日には、Nintendo Switch用のパッケージ版が発売に。はたして「伝説のクソゲー」の面影はあるのか、16人での一揆はどんな感じなのか、実際に遊んでみた印象とともにご紹介します。

■ファミコン版『いっき』がクソゲーと呼ばれた理由

 そもそも、ファミコンの『いっき』が、なぜ「クソゲー」としてここまで有名になったのか、筆者の見解も交えてカンタンに解説しましょう。

 ファミコンブームの最中に発売された『いっき』は、時は江戸時代、舞台は農村、主人公は村人と、当時としてもたいへんユニークな世界観。カセットにも「おもしろおかしい時代劇ゲーム」と書かれていて、はなからメーカー側も、今で言う“バカゲー”を狙っていたのではないでしょうか。

 子どもたちの“ネタ”としてはこれだけで十分でしたが、ちょっと掘り下げてみると、一揆なのにひとりだったり、敵は忍者や動物だったりとボケ満載。イラストレーターのみうらじゅん氏ら著名人がそこらへんにツッコんだことで、のちにバカゲー≒クソゲーの元祖的存在として、広く知られるに至りました。

 一方、当時実際に遊んでいた子どもたちの間では、クソゲーという言葉はまだ存在せずとも、「クソ難しくてクソつまらねー」という評価が本音半分・イジリ半分で醸成されていたかと思います。あの時代には、ゲームバランスが調整されていない作品も多かったのです。また、アーケードゲームをデータ容量の少ないファミコンに移植するにあたり、いろいろ切り詰めた結果、おもしろみ半減……というケースも。実は『いっき』も、原作はアーケードでした。

 さらに決定的(?)だったのが……意外とみんなが持ってるカセットだったということ。買ってはもらえなかったけど、友達の家で本作を遊んだという人は多いはず。メーカーの話では、70万本以上売れたということなので、それも納得。『いっき』のクソ難しさは、当時の多くの子どもたちの共通体験であり、その記憶がのちに共感を呼び、思い出話があちこちで盛り上がった……これが、『いっき』がクソゲーの代名詞となった大きな要因だと、筆者は思っています。

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