■最新CGによる圧倒的な映像美に痺れた『モンスターハンター』

 2021年には、シリーズ累計販売本数1億本を超える大人気ゲーム『モンスターハンター』を原作にした同名映画が公開された。監督は『バイオハザード』シリーズでおなじみのポール・W・S・アンダーソンで、南アフリカとナミビアの大自然と最先端技術のCGによって、壮大なスケールを感じられる作品となっている。

 主演は監督の妻で『バイオ』で主人公アリス・アバーナシー役を務めたミラ・ジョヴォビッチ。ミラは同作でも体を張って果敢にモンスターに挑み、『バイオ』同様にスタイリッシュなアクションを披露している。

 物語はアメリカの特殊部隊が砂漠で突然巨大な砂嵐に襲われ、『モンハン』の世界にトリップしてしまうというもの。このストーリー展開は、ゲームを知らない人でも入り込みやすいだろう。

 物語序盤で出てくるディアブロス亜種や後半のリオレウスを始め、登場するモンスターは動きも見た目もかっこいい。ゲームでプレイヤーはサクサク倒すが、実際に戦ったらこんな感じかも……というリアリティもある。
 
 意外なのは、ネルスキュラがフォーカスされていた点だろうか。夜行性になったネルスキュラはエイリアン的な気持ち悪さがあり、人間が次々襲われるシーンは『モンハン』というよりさながらSFホラーだった。

 一方で、双剣使いのミラが鬼人化を覚えたり、アイルーや様々な武器が登場したり、肉焼きシーンがあったりと、ゲーム要素も随所に落としこまれている。細かい点を突っ込めばキリがないが、モンスター討伐の見応えはたっぷりで申し分なしだろう。

 アンダーソン夫妻はともに『モンハン』のファンで、監督はヘビィボウガン使いでミラは双剣使いとのこと。同作のミラの装備も、ゲームで彼女が使っているものをモデルにしているそうだ。 

 元のゲームとは違った映画でも、オリジナルの世界観の豊かさゆえか娯楽作品として多くの人に愛される作品ばかり。映画『マインクラフト/ザ・ムービー』もまた、2025年最注目の作品になるだろう。

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