『マインクラフト/ザ・ムービー』は成功なるか?  『スト2』『モンスターハンター』『スーパーマリオ』も…名作ゲームの「実写映画作品」を振り返るの画像
画像はジャン=クロード・ヴァン・ダム主演による映画『ストリートファイター』

 2011年の正式版リリース以来、世界中の人々を魅了し続けているゲーム『マインクラフト』。「世界で最も売れたインディゲーム」としてギネスにも認定され、現在では思考力・創造力などを養うことができ、プログラミングも学べるという観点から学習教材としても高い評価を得ている。

 そんな『マイクラ』をハリウッドが初実写化した映画『マインクラフト/ザ・ムービー』が、2025年に公開される。謎のポータルからマイクラの世界にワープした4人の冒険物語のようだが、どんな内容になるのか期待度は爆上がりだ。

 ミラ・ジョヴォヴィッチ主演による『バイオハザード』や、アンジェリーナ・ジョリー主演による『トゥームレイダー』など、これまでに映画化され大ヒットした名作ゲームは数多いが、中には『マイクラ』のようにゲームでストーリーが描かれていないような作品の映画化もある。今回は、そんな名作ゲームの実写化作品を振り返ってみよう。

■衝撃的なヨッシーが記憶に残る『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』

 ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』では2023年公開のアニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のヒットが記憶に新しいが、1993年にはマリオ&ルイージを初めて実写化した映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』が公開されている。

 この作品で描かれるのは、隕石の落下で地球が地上の人間と地下の恐竜(進化した恐竜人)の2つの世界に分断されたという「if」の物語。マリオとルイージは双子ではなく、マリオが孤児院からルイージを引き取ったことになっており、住まいはブルックリン。何とも現実的で面白い世界観だ。

 ストーリーは世界征服を企む恐竜人ⅤSマリオら人間というアクションもので、悪の親玉は恐竜帝国ダイノハッタンの大統領・クッパである。クッパといっても、ゲームの面影は一切なく、演じていたデニス・ホッパーそのままなうえ、最終的には恐竜になるというシュールさだ。

 同作にはピーチ姫は出てこず、ヒロインはダイノハッタンの王女であり、2つの世界を融合させるアイテムを持つプリンセス・デイジーという女性。デイジー姫といえば、原作ゲームにこそ登場しないが、いまや『スーパーマリオ』シリーズファンにはおなじみのキャラだ。ちなみにマリオには、ピーチ姫の代わりにダニエラというセクシーな彼女がいる。

 極めつけはヨッシーとキノコだろう。ヨッシーといえば緑色のキュートなルックスが売りだが、同作に登場するのは「ジュラシック・パークに出てた?」というほどリアルな恐竜。そして、キノコはエイリアンの卵のような物体にチェンジ。しかも、国王がクッパに変えられた姿だというから驚く。
 
 と、いろいろあれど同作はテンポも良くストーリーも明快なので娯楽アクションとしては間違いなく楽しめる。ボム兵などのゲームネタも織り込まれているので、隠れゲームネタを見つけるのも面白いだろう。

■主役はガイル!今でも収益があるという『ストリートファイター』

 つぎは、ジャン=クロード・ヴァン・ダムを主人公のガイル役に迎え、1995年に公開された『ストリートファイター』。世界中で大ヒットした『ストリートファイターII』をベースに、『ダイ・ハード』を手掛けたスティーヴン・E・デ・スーザ監督が制作したバトル映画だ。

 登場人物はみなゲームに寄せていて、特に筋骨隆々なザンギエフはハイクオリティ。なぜか科学者になっているダルシムも、最初は髪がふさふさだが後にスキンヘッドになりゲームに寄っていく。

 もちろん、控えめながら波動拳やサマーソルトキックといった必殺技も登場する。しかし、キャラ設定及び世界観はかなり違うので、ゲームの感覚で見ると驚いてしまうかもしれない。

 同作の舞台は、人間兵器で世界を牛耳ろうと目論む独裁者・バイソン将軍と連合軍の戦いが勃発する軍事国家シャドルー。バイソン将軍はブランカを含むボランティアを人質にとり、連合軍司令官のガイル大佐(ゲームでは空軍少佐)に身代金を要求する。

 人質解放に動き出したガイル大佐は、仲間のキャミィや詐欺師のリュウ&ケン、バイソンに恨みを持つチュンリー(春麗)、エドモンド本田、バルログらと協力しながらバイソン一派を追い詰めていく。連合軍と独裁国家の戦いなので、ストリートファイターと言いつつストリートでファイトしていないのは斬新である。 

 なお、ゲームの日本版とアメリカ版では、バイソン、バルログ、ベガのキャラ名が入れ替わっている。同作はアメリカ映画のため、アメリカ版の通り「バイソン」が日本版でのベガ、「ベガ」は日本版でのバルログ、「バルログ」は日本版でのバイソンになっており、ちょっとややこしい。

 映画『ストリートファイター』はB級感があり、長らくファンの間でネタ的な映画として扱われていたフシもあったが、意外なヒットを遂げた作品でもある。2024年のカプコンの株主総会の質疑応答にて、現在でも年間数千万円の利益を生んでいるということが発表されファンを驚かせた。

 そうした利益もあってか、2026年にはレジェンダリー・エンターテインメントによる『ストリートファイター』の新作実写映画の公開が予定されている。そちらも注目だろう。 

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