「宝生舞かわいすぎ…」KinKi Kids主演ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』が描いた“世紀末”と豪華キャスト陣の画像
ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』DVDBOXより (C)NTV

 トレンディドラマに沸いた1990年代。ドキドキのラブストーリーが視聴者を釘付けにする一方で、サスペンス・ミステリーといったスリリングな作品もカリスマ的な人気を誇っていた。

 その一つが、1997年に日本テレビ系土曜21時の『土曜グランド劇場』枠で放送された『ぼくらの勇気 未満都市(シティ)』だ。人気絶頂期のKinKi K idsが主演を務めたこのドラマは、華やかなキャストはもちろんのこと、パンデミックサバイバルという斬新な設定や堤幸彦監督によるスタイリッシュな映像が盛り込まれたものだった。

 KinKi K idsによる主題歌『愛されるより 愛したい』も大ヒットを記録。今回は、そんな『ぼくらの勇気 未満都市』を振り返っていこう。

■子どもだけの混沌とした世界に生まれる秩序

 竹熊健太郎さんと永福一成さんが1996年に手掛けた漫画『チャイルド★プラネット』をベースとした同ドラマの世界観は、90年代のドラマの中でも異彩を放つものだったのではないだろうか。突然日常が奪われる恐ろしい出来事や過酷な環境での生活、政府による隠蔽やマスコミの偏向報道といったなかなかにリアルな部分もあり惹き込まれてしまう。

 1997年のある日、“幕原市”で地震が発生し、地域一体が封鎖される。主人公のヤマトは同市に住む友人・キイチのため、もう一人の主人公・タケルは姉のために幕原市に向かい、道すがらで出会った2人は行動をともにする。そして幕原市に足を踏み入れた2人は、地震が政府の流したデマであり、実際は微生物「T幕原型」によるパンデミックが起こっていたことを知る。

 T幕原型の正体は、政府が人工衛星を使って秘密裏に研究していた成長を加速させる微生物。隕石との接触で人工衛星が幕原市に落下し、まき散らされた微生物に感染した大人が死滅、子どもだけが生き残っている状態だった。

 親も死に、ライフラインも寸断され、突如サバイバル生活を送ることになった幕原市の子どもたち。生きるために必死な彼らは荒れに荒れ、幕原市は暴力のはびこる無法地帯と化していく……。

 一本気で正義感の強いヤマトを、面倒見のいいタケルがサポートしながら強い絆が育まれていく。そして彼らの活躍によって子どもたちの中に秩序が生まれ、病気や怪我に見舞われながらも小さな子どもの面倒を見たり自給自足をしたりと協力して支えあい、真実を隠す「政府」という大きな存在と対峙していくという物語だ。  

 2017年にはキンキデビュー20周年記念のスペシャルドラマ『ぼくらの勇気 未満都市2017』が放送された。ドラマの最終回で、人工衛星の破片を持つメンバーが交わした「20年後、またこの場所で会おう」という約束を果たす形で始まった同作。懐かしいメンバーが集まり、あの場所で再び発生したT幕原型の脅威に大人の立場で立ち向かっていく。続編がなかった作品のため、スペシャルドラマは大きな話題を集めた。        

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