■他の人に譲りたくないクリィミーマミという分身
――「クリィミーマミ」という物語のカーテンが降ろされて30年以上経っても、新しいコンテンツが発表されています。そんな作品って、なかなかないですよね。
太田 そうですよね。結構前に出されたアニメがいろんなコラボをするのは見てますけど、マミちゃんはまた独自の感じで商品も続々と出ていますよね。例えば原宿とか行くと、若い子のファッションやグッズなんかで「あ、マミちゃん見かけた!」みたいな。嬉しいですよね。
――世代や性別、国境を越えて愛され続けている理由はどこにあると思われますか?
太田 これがまた難しいですよね。やっぱりキャラクターが可愛いっていうのが第一じゃないですか? あとは魔法の力ですかね。それとぴえろさんががんばってくれたから。やっぱり「マミちゃんは永遠」ですよ。
――それは太田さんにとっても永遠の存在であり、みなさんにとっても永遠の存在でいてほしいという願いを込めた意味で?
太田 ちょっと本音で言うと、マミちゃんみたいに2世代に渡って愛される作品って本当に少ないと思うんですよ。単にキャラクターが可愛い、と飛び付いてくださってる方はいるとは思うんですけど、マミちゃんの場合はイベントをやるごとに思うんですけど、ファンの方の愛が伝わるんです。そういう意味でも、マミちゃんを終わらせるっていうことはないって思っていて。もう、みんなの心の中に刻まれてるというか。本当に2世代ずっと好きでいていただけるのなら、もっと若い世代などいろんな方に知ってもらいたいですね。
――では太田さんも声や命が続くかぎり、一生涯クリィミーマミということですよね。
太田 そうですよね。野沢雅子さんだって、お歳を聞いてちょっとびっくりしましたけど、ずっとお声も変わらず現役でやっていらしているじゃないですか。やっぱり、声優さんってすごいなと思いますね。
――もし森沢優とクリィミーマミの物語が再始動するとしたら、どう関わっていきたいですか? 自分が演じるのはちょっと難しいけど、歌だけは絶対やりたいとか。今度は脚本にも挑戦してみたいとか。
太田 いろんな作品を観ていても、主人公が変わったりとか色々あるじゃないですか。でも、私は現役でいきたいなって思って。強気ですけどね(笑)。というか、他の人に譲りたくないっていうのはありますよね。そう思いません?
――自分の人生を変えた役はやっぱり手放したくないですよね。
太田 優ちゃんやマミちゃんって、私の分身みたいなもので、彼女たちの演技は私独自の言い回しなので、他の声優さんにはマネできないんですよ。なので、もし他の方が演じてくださることになったとしても、よほどの理由がない限り、絶対クレームがくると思うんですよね。強気ですけど、すみません(汗)。
――とても高いプロ意識を持って演じていらっしゃったことに感動しています。では、もし「マミ」がリブートするなら……。
太田 また私がやります(笑)。でも、ぴえろのスタッフさんによく脅されてるんです。「太田さん、大丈夫ですか?」って。だから「何がですか?」って返しています(笑)。「永遠の16歳ですから。分かってますから!」とか言って。布川さんも言うんですよ。「太田ちゃんは永遠のアイドルだから」って。
――ご自身も、そうありたいと……。
太田 思っています! がんばってます! マミちゃんは永遠です!
インタビュー:中村実香