■高校生で結婚!しかも相手は警察官!?『PとJK』

 三次マキさんの『PとJK』(講談社)は、亀梨和也さんと土屋太鳳さんが起用された実写映画(2017年公開)でも話題となった作品だ。

 本作ではタイトルの通り、警察官と女子高生の物語が描かれている。合コンに年齢を偽って参加した主人公・本谷歌子は、そこで出会った佐賀野功太と恋に落ちる。しかし、歌子の本当の年齢は女子高生。功太は真実を知って歌子のもとから去ってしまう。

 それもそのはず、彼の職業は警察官なのだ。社会的に許されない2人の恋……それでもお互いの気持ちを止めることができない彼らは“結婚”という究極の選択をする。

 女子高生で結婚というだけでもありえない話なのに、相手が警察官とあればまず現実的ではないだろう。しかし、だからこそケジメをつけるために結婚の道を選択した功太はなんとも男らしいではないか。

 2人の間に不純な気持ちなど一切なく、純粋でまっすぐな愛情だけが貫かれているのも本作の見どころの1つだろう。爽やかでキュンとするラブストーリー。憧れない女性はいないのではないだろうか。

■両親がパートナーを交換!? 『ママレード・ボーイ』

 1992年から『りぼん』で連載された吉住渉さんの『ママレード・ボーイ』(集英社)は、アニメや実写ドラマ、実写映画と、さまざまな関連作品が制作される人気シリーズだ。

 本作は主人公・小石川光希の両親と、同級生の松浦遊の両親がそれぞれパートナーを入れかえて再婚するというとんでもない展開から物語が始まる。

 さらに驚きなのが、それぞれの両親をふくめ、6人で共同生活をはじめてしまう突拍子もないストーリーだろう。破天荒な両親と、あっけらかんとしている遊に振り回される光希。次第に2人には特別な感情が生まれていくことに……。

 ただのラブストーリーでは終わらない衝撃展開も待ち受ける本作。完結から29年経った今でも愛される、少女漫画界きっての名作だ。

 

 少女漫画で描かれた「トンデモ設定」たち。読者の夢を詰め込んだような設定は、ファンの心を掴んで離さない。ぜひこの機会に、一度は夢見る展開の少女漫画に没入して癒されてみてはいかがだろうか。

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