■『グッドモーニング・コール』のその後を描いた『グッドモーニング・キス』
1997年から連載されていた高須賀由枝氏の『グッドモーニング・コール』も、「続編」が描かれた作品の一つだ。本編では秘密の同居生活をしていた吉川菜緒と上原久志が、紆余曲折を経て同居を解消するも、大家の計らいで今度は隣同士に引っ越すというラストを迎えている。
そして2006年から『Cookie BOX』で、二人のその後を描いた『グッドモーニング・キス』がスタートした。本編で中学3年生から高校生まで成長した菜緒&久志は、続編では大学生になっている。
進路や恋愛に悩みながらも成長を遂げていき、大学卒業後は久志は東京の大学院に受かり、菜緒は就職の道に進む。子どもだった二人がついに社会人になり、結婚や仕事といった大人ならではの悩みを抱えるようになるとはなんとも感慨深いものだ。
一方、婚約はしたもののいまだ結婚までは進んでいない。遠距離恋愛や二度目の同棲を挟みつつスローペースで進む二人の恋は、無事ゴールインまで辿り着くのか。今後の展開に期待したい。
■家族関係はさらに複雑に?『ママレード・ボーイ little』
1992年に始まった吉住渉氏の『ママレード・ボーイ』は、親のシャッフル再婚、連れ子同士の恋愛という斬新な設定で大きなインパクトを与えた大ヒット漫画だ。
様々な問題を乗り越え、最終回で正式に結ばれた小石川光希と松浦遊。2013年に『Cocohana』でスタートした『ママレード・ボーイ little』には、そんな二人がアラサーになって登場した。
今作は本編から13年後の物語で、光希と遊の妹&弟・松浦立夏と小石川朔が主人公。二人は再婚した両親から生まれた子どもで、光希と遊とは半分ずつ血が繋がっているうえに、またしてもひとつ屋根の下で暮らしているというさらに複雑な関係性だ。
光希と遊は30代に突入。物語序盤では、結婚はせず「子どもが欲しくなったら籍を入れる」と8年も同棲生活を続けていた。もう一つのカップル・須王銀太と鈴木亜梨実はすでに結婚しているが、キャリアを伸ばしたい亜梨実と子どもが欲しい銀太で意見が合わず別居状態に。
物語が進むと状況も変わり、それぞれのカップルは結婚や妊娠で新たな人生を歩み始めるが、子どもを産む年齢、結婚、キャリアと家庭など、大人になった光希らはなかなかにリアルな悩みを抱えていた。同世代になった読者は、共感できる部分もあるのではないだろうか。
1990年代に輝きを放っていたキャラたちが歳を重ね、大人になった姿が見られるのは、ファンにとって嬉しいことだ。『グッドモーニング・キス』以外はすでに完結しており、コミックの巻数も少ないので気になる人はチェックしてみてほしい。