チャチャは現代の東京に!? 実は「続編」が描かれていた『りぼん』人気漫画…注目キャラたちの「気になるその後」の画像
「特別展 りぼん」公式ビジュアル

 甘酸っぱい恋愛物語からお腹を抱えて笑ったギャグ漫画まで、輝かしい名作が次々に生まれた1990年代の少女漫画雑誌『りぼん』(集英社)。当時の少女たちは発売日になるとお小遣いを握りしめて書店に走り、ドキドキしながらページをめくったものだ。

 どの作品も素晴らしい最終回を迎えているが、中には2021年から『Cookie』で連載されている池野恋氏の『ときめきトゥナイト』の続編『ときめきトゥナイト それから』のように、本編の「その後の物語」が描かれた作品がある。今回は、90年代『りぼん』の続編で描かれた気になるその後を振り返ってみよう。

■次なる舞台は東京!あの頃のノリも健在『赤ずきんチャチャN』

 1992年から連載されていた彩花みん氏による『赤ずきんチャチャ』。見習い魔法使いのチャチャとしいねちゃん、狼男のリーヤが繰り広げる大騒動は抱腹絶倒で、たちまち『りぼん』を支える人気漫画の一つとなった。

 本編は「そんなわけで チャチャ達のドタバタな冒険は果てしなく続くのであった」のナレーションで締められるという、何ともチャチャらしい終わり方をしているが、その後2度の読切を経て、2012年から2019年にかけて『Cookie』に続編となる『赤ずきんチャチャN』が掲載された。

 今作はうらら学園を卒業した後の物語で、舞台はなんと現代の東京だ。セラヴィーとどろしーが東京旅行に行ったのを知ったチャチャたちは、二人を追いかけて魔法界外と繋がる「かめ」で東京へワープ。だが帰るための「かめ」を割ってしまい、なんやかんやそのまま東京のお嬢様中学校に通いながら暮らすことになる。

 本編のノリやギャグのキレ、テンポの良さは当時のままで、東京でもドタバタぶりは変わらない。懐かしいキャラも次々登場し大騒動を繰り広げてくれるので、チャチャファンは興奮すること請け合いだ。

■18歳になったスーパーギャル寿蘭にまた会える『GALS!!』

 藤井みほな氏の『GALS!』は、1998年に連載されたギャル漫画の金字塔。カリスマギャル、寿蘭の真っすぐで熱い生き様が平成女子のハートをわしづかみにした。 

 本編は、蘭が鳳南高校を卒業し、渋谷署の“ザ・カリスマ刑事”になることを宣言。卒業旅行先のハワイで、親友の山咲美由と蘭の兄・大和のサプライズ結婚式を行う感動的なラストを迎えている。

 そして、『マンガMee』で続編となる『GALS!!』が連載されたのは、2019年から2022年にかけてのことだった。物語は前作の続きで、卒業後の2002年4月から始まる。 

 変わらずパワフルなギャルたちだが、その一方で蘭は警察官採用試験に向けて恋人の黒井達樹と勉強中。美由は短大に進学、星野綾は恋人の乙幡麗と同じ東京大学に進学と、新たな人生を歩み出している。

 今作で描かれるのは、人生の転換期を迎えた蘭たちの成長物語だ。生き方や価値観の違いによって仲間や恋人との間に生まれたすれ違いや葛藤を乗り越え、蘭たちがどんな選択をするのか……ぜひその行く末を見届けてほしい。

■「こどちゃ」ファン必見『Honey Bitter』×『こどものおもちゃ』番外編『Deep Clear』

 1994年に連載が始まり、笑いとダークテーマを絶妙なブレンド量で描いた『こどものおもちゃ』と、2004年に『Cookie』で連載が始まったテレパシー能力を持つ探偵・音川珠里の物語『Honey Bitter』。世界観の違う小花美穂氏の2作品は、2010年発表の番外編『Deep Clear』で奇跡のコラボを果たしている。

 今作は『こどちゃ』の倉田紗南が26歳のときの物語。紗南が珠里の事務所を訪ね、探偵役の参考にさせてほしいと依頼するところから始まる。さらに、23歳で結婚して現在紗南が妊娠中ということが判明するも、なぜか羽山が反対し二人は別居中。相模怜はその原因を探ってほしいと、珠里に依頼を出す。ちなみに羽山は、空手の指導者兼鍼灸マッサージ師になっている。

 羽山と紗南の関係も見どころだが、かつて紗南に片思いしていた加村直澄が、NYで男性俳優と同居生活を送っているということに驚いた読者は多いだろう。しかも、紗南以外の女性を愛せず、たまたま好かれた男性と向き合ってみたらうまくいったという切ないエピソードが。ちなみに相手の男性は、『こどちゃ』本編にもチラッと登場している。 

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