■素晴らしいアニメーションの動き…ピーノを育てるのに夢中になった『ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ』
最後は、12月に発売された『ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ』だ。機械人間の「ギジン」のピーノを育てていくコミュニケーションアドベンチャーなのだが、見事なアニメーションで感情移入してしまうほど面白かったゲームだ。
ピーノの生みの親であるジェペット博士が無実の罪で城の兵士に連行されてしまったため、妖精のロボット・ティンカーの頼みを受けて、プレイヤーがピーノを育てるのに協力し博士の救出を目指すというストーリー。
実際に操作するのはティンカーで、ピーノは育て方によって行動パターンが変わってくる。これがまた楽しく、やり込み甲斐があるものだった。
章立てでゲームが進み、ピーノのできることも増えていく。育て方によってはピーノが横暴な性格になることもあるので、褒めて喜ばせて成長させていくのも面白かった。
とにかくグラフィックやアニメーションは見事だった。イベントに再挑戦するときには、ティンカーの相談役であるギジン46号が登場。「おしえて♪ 46号!」のシーンが、毎度のようにあったものだ。
このギジン46号は優しいギジンなのだが、ストーリーの終盤、第八章で兵士によって壊されてしまう。その顛末は、ピーノ同様に悲しかったものである。
ここで紹介した3作は今から30年も前に発売されたものだが、当時のエニックスは、『ドラクエ』に限らず面白いゲームが多かった。『ドラクエV』から『ドラクエVI』まで発売期間が長くあいていたこともあり、『ドラクエ』ファンだった筆者にとって、エニックスというブランドでゲームを購入することは、安心感はもちろん、とても満足感があった。
ただ、当時のスーファミソフトは値段が高いのが難点だった。新品で1万円を超えるものばかりで、頑張って得たバイト代がすぐに消えていったものである……。