■エスパー最強&「はかいこうせん」が強すぎ

 初代では、はがね・あく・フェアリータイプは存在せず、現在とは異なる相性があった。また、技の「物理」と「特殊」の区分方法が『赤・緑』では技ごとではなくタイプによって分かれており、例えばノーマル技は全て「物理攻撃」とされていた。「はかいこうせん」は、「光線」と名がつくのに「物理攻撃」扱いだったりする。

 その中で最強だったのが「エスパー」で、苦手なタイプは「むし」「ゴースト」のみ。「むし」タイプの攻撃はわずか4つしかなく、どれも低威力。「ゴースト」タイプの攻撃も3つしかなく、中でも「ナイトヘッド」は自分のレベル分のダメージを与えるダメージ固定技だった。さらにもう一つの「したでなめる」はエスパータイプに無効というバグがあった。

 また、「はかいこうせん」も初代では特別な仕様があった。この技は本来、強烈な一撃を与える代わりに反動で次の1ターン行動不能になるという技。ところが、なんと相手ポケモンを倒すと反動がないというバグが存在したのだ。このため、大会では「ケンタロスによるはかいこうせん」が流行したほどである。

■友だちから聞いたバグ技を使いまくり

 『赤・緑』には、他にも「バグ」が確認されている。全国の子どもたちが知る有名なものからマイナーなものまで、数多く存在した。

 初代が流行した1990年代後半は、インターネットがまだ普及していなかったにもかかわらず、バグ技がどこからか広まり、小学校では話題となった。特に、「一瞬でレベル100になるバグ技」などは誰もが試してみたことだろう。

 さらにバグは、思わぬ効果をもたらしている。幻のポケモン・ミュウがバグで発見され、話題となったのだ。ミュウはもともとデータ上だけに存在するポケモンだったが、バグによって幻の151匹がいると話題になり、ポケモンブームを巻き起こした。今あるポケモン人気の大元は、もしかするとバグによるところも大きいのかもしれない。

 

 その他にも、「ポケモンを交換するためには通信ケーブルを使って直接つなげる必要があった」など、懐かしいあるあるが初代ポケモンには数多く存在する。『ポケットモンスター赤・緑』の懐かしい要素やあるあるは、多くの人々にとって特別な思い出として心に残り続けるだろう。

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