■脇を固める俳優陣も素晴らしい
実は、本作は脇を固める俳優陣も素晴らしかった。たとえば、引率の先生・西倉孝一(にしくら こういち)を演じている田口浩正さんだ。西倉はプレイヤーが私立探偵ということもあり、はじめは非協力的で嫌味を言ってくるのだが、徐々に捜査のアドバイスや手伝いをしてくれるようになる味のあるキャラだった。最後の謎解きシーンでも進行役的なポジションで活躍してくれる。
ほかには、ユーラシアエクスプレスの乗務員として、高田純次さんが出演していたりもする。役者として実績のある高田さんだが、当時はバラエティ番組での印象が強かったため、筆者にとっては真面目に演技している姿は新鮮で、さらに一人称で語りかけてくるのでなおさら面白く感じた。
また、エンディングに登場する東京事務所の秘書・小比木玲子(おこのぎ れいこ)のキャストも豪華だった。どのようにプレイしたかによって容姿が変わる玲子には、桜井智さん、雛形あきこさん、矢田亜希子さん、種子さんの4人が起用されている。エンディングのお楽しみ要素となっていた。
今回は、名作実写推理ゲーム『ユーラシアエクスプレス殺人事件』を紹介してきた。本作最大の魅力は、なんと言ってもマルチヒロインとして当時の人気アイドルたちが多数出演していたことだろう。
世間を賑わせていたトップアイドルたちと会話をしながら謎を解いていくゲームシステムは、当時、それだけで価値があったように思う。
3DCGの発展によって本作のような実写ゲームは絶滅危惧種となってしまった現在だが、それゆえ、今プレイするとアイドルたちとともに当時の雰囲気を存分に楽しめるものとなっている。機会があれば、ぜひプレイしてみてほしい。