■真珠夫人といえばこれ!「タワシのコロッケ」
フジテレビの『真珠夫人』を一躍有名にしたのが、“タワシのコロッケ”のエピソードだろう。
直也の妻・登美子は、あるとき直也が瑠璃子と密かに会っていることを知る。その夜、登美子は直也に夕飯を準備しつつ「おかず何もありません。冷めたコロッケで我慢してください」といって皿を出す。そこにはキャベツの脇に置かれた2つのタワシが! 驚いてそれを指摘する直也に対し「どうかしたんですか? ソースかけてください」と続ける登美子。セリフも非常にシュールだ。
このほか、登美子は瑠璃子の写真の目の部分にたくさんの針を刺したり、破いたり。また夜の夫婦生活を直也に拒絶されるシーンでは、“300円であたしを買って! 売れっ子の上玉よ”と言い、パジャマを脱いで迫るなど、底知れぬ嫉妬心をあらわにするシーンが多く見られる。
そんな登美子を演じた森下さんは、本作をはじめ、昼ドラ『緋の稜線』でも主役をつとめるなど、ドロドロのドラマには欠かせない素晴らしい女優だった。現在は役者を休業されているようだが、またいつか活躍する姿を見たいものである。
感情の嵐が吹き荒れる昼ドラの代表『真珠夫人』。まさに真珠のような輝きを放つ主演の横山さんが美しく、その相手役である葛山さんもザ・昼ドラと言うようなドラマチックな演技が素敵だった。
フジテレビで放送された『真珠夫人』はDVDも販売されているので、愛憎が交錯する昼ドラを堪能したい人は視聴してみると良いだろう。