漫画やアニメに登場する悪人には、いろんなタイプが存在する。主人公たちと正々堂々と戦う者もいれば、勝つためには手段を選ばない者もいるのだ。
そんな中、外道というべき類の悪人が迎える最期は、かなり悲惨であることも少なくない。これまでの行為の代償を支払わされるようなモノになっていて、「こんな死に方は絶対にしたくない」と戦慄してしまう。
そこで今回は、悪人でも思わず同情してしまう“惨すぎる最期を迎えた悪人”について紹介していきたい。
■『ジョジョの奇妙な冒険』ディアボロ
まずは荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)のディアボロから紹介していこう。彼は第5部のラスボスで、ギャング組織である「パッショーネ」のボスである。
ラスボスでギャング組織のボスという設定からも分かるように、彼は自分にとって邪魔になる存在には容赦をしない。見せしめに人の命を奪うこともいとわず、自らの保身のためなら何人死んでも構わないと考えている。
そんなディアボロは、目的のため自身の娘であるトリッシュの命まで簡単に奪おうとしていた。これによって、組織の一員だったブチャラティはディアボロに反旗を翻す。
ディアボロは最終決戦にて、ジョルノのスタンドの進化系である「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」によって、死のループへと叩き込まれる。
ジョルノの進化したスタンドの能力を食らった者は、決して結果に到達できない状態になってしまう。死ぬという現実にすら永遠に到達できないわけで、ディアボロは無限にいろんな死の瞬間を体験する羽目になってしまった。
確実に訪れる死の瞬間から逃れようとしても決して許されず、ひたすら永遠に死に続ける……。発狂してもおかしくない状況だ。これは、いっそのこと早く殺してくれ! と思ってしまうだろう。
■『幽遊白書』戸愚呂兄&『無限の住人』尸良
次は冨樫義博氏による『幽☆遊☆白書』(集英社)に登場する戸愚呂兄の最期だ。戸愚呂兄は正々堂々とした戦いを好む弟とは違い、残忍な性格で、敵を生かして帰すような真似は絶対にしない。笑いながら殺すのを楽しんでいるようだ。
そんな歪んだ性格の持ち主である戸愚呂兄は、蔵馬と戦った結果、生き地獄を味わうことになる。邪念樹によって永遠に幻覚を見せられながら、捕らわれ続けることになってしまったのだ。
戸愚呂兄は並外れた再生能力の持ち主であり、決して死なない身体になっている。そのため、捕らえた対象から“死ぬまで”養分を吸い続ける邪念樹との相性は最悪……。決して解けない幻覚を見せられたまま、永遠に生き続けなければならなくなった。
同じく高い生命力を持つがゆえに悲惨な結果となったキャラといえば、沙村広明氏の『無限の住人』(講談社)に登場する尸良もいる。彼もまたかなりの外道かつサディストなのだが、結果としては四肢を斬り落とされたうえで「不死力」を失い、生きながら野犬に食われる最期を遂げた。不死になるのもなかなかの考えものである。