『ドラクエV』グランバニア大臣、『ドラクエVl』ゲバンも…『ドラゴンクエスト』天空シリーズに登場する「クセが強すぎる大臣」たちの画像
画像は『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエスト3』『ドラゴンクエスト5』『ドラゴンクエスト8』『ドラゴンクエスト11』(編集部撮影)

 『ドラゴンクエスト』シリーズでは、さまざまな国に統治者として国王や女王が存在している。側近に大臣がいる場合もあり、『ドラクエIII』のエジンベアには、夜間に侵入すると玉座に居座っている大臣がいた。『ドラクエVIII』では、呪われたトロデーン城を探索すると、トロデ王のいない間に大臣がちゃっかり玉座に座っているシーンもあった。

 まあ、この辺りは可愛いものだが、『ドラクエ』天空シリーズにはとんでもない悪役の大臣がいたものである。今回は、主人公たちを困らせる(?)クセが強すぎる大臣たちを振り返ってみよう。

■『ドラクエIV』キングレオ城で大きな音にビビッて王様の部屋に駆け込む高圧的な大臣

 『ドラクエIV』のキングレオ城には、高圧的な態度をとる大臣が登場する。第4章では父の仇であるバルザックを倒すため、マーニャとミネア、オーリンが城へ乗り込むのだが、その居所を知っているのは大臣のみ。

 しかし、この大臣に直接聞き込みをしようものなら偉そうな態度をとってきて、“牢屋に放り込む”とまで言われる始末。その態度にちょっとイラついてしまうが、そこで部屋の外で「かやくつぼ」を使用してみると、その大きな音にビビッた大臣はなぜか隠し部屋まで逃げ込んでいく。そして、気付かれないようにコイツのあとをついていけば、宿敵・バルザックとの戦いに挑めるようになるのだ。

 この大臣、第5章でキングレオを倒すと急におとなしくなり、バルザックがサントハイムにいることを教えてくれる。第4章から第5章までの時間経過は分からないが、マーニャとミネアを取り逃がし、隠し部屋まで発見されてしまっているのにもかかわらず、まだ大臣の座に居座っているのだから、なかなか処世術に長けているのかもしれない。

 初見プレイでは大きな音を出すにはどうすればいいのかが分からず、ビビッて逃げたあともつい話しかけてしまって、なかなか隠し部屋に辿り着けずに困ったものだった。

■『ドラクエV』魔物を手引きするほど落ちぶれた…グランバニア大臣

 『ドラクエV』には、完全に落ちぶれてしまった大臣が登場する。それが、主人公の故郷であり、父・パパス王がいない間に実権を握ったグランバニア王国の大臣だ。

 コイツはなかなかヤバイやつだった。パパスが死んでしまい、息子である主人公も行方不明(実際は奴隷となっていた)となったグランバニアは、パパスの弟(主人公の叔父)であるオジロンが即位していた。

 この優柔不断なオジロンの性格を利用して、実権を掌握していたのがこの大臣だ。だが、長らく行方不明だった主人公がたくましい青年となって帰路につくと、オジロンは安心したのか王位を譲ろうとする。

 しかし、ここで大臣は反対する姿勢を見せ、魔物の巣窟となっている「試練の洞窟」へ主人公を向かわせる。さらにそこに刺客としてカンダタを送り込み、主人公を亡き者にしようと企むのだ。だが、この計画は見事に失敗。

 そこで大臣は帰還した主人公を祝う素振りだけを見せ、宴の準備を買って出た際、酒に眠り薬を入れて兵士や国民を眠らせ、魔物を誘き寄せる。不幸にも妻を誘拐されてしまった主人公は、大臣の部屋で「そらとぶくつ」を見つけ、デモンズタワーで瀕死となっていた大臣を発見。

 最終的に大臣は自分の罪を反省するのだが、時すでに遅く死んでしまう。まあ、いくら反省しても、このあと石化されてしまう主人公と妻は、子どもたちの成長を見ることができない。これはものすごくツラいことだ。

 この大臣が犯した罪は国家反逆罪ともいうべきものであり、極刑に処されてもおかしくないだろう。ただ、この石化があったおかげで主人公の子どもたち(男の子と女の子)はたくましく成長することになるのだが……なんとも皮肉な物語だ。

 というか、刺客にカンダタって……。仮にも大国の大臣クラスなのに、あんなパンツ一丁のマスクマンにいちいち頼むなよ……。

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