■ファンに愛されるコトブキヤ自社ビルのプラモデル 

 城や神社、田舎の民家など、昭和時代から建物を再現したプラモデルはあったが、2023年に、ホビーメーカー「コトブキヤ」が創業70周年を記念して発売したのが、『1/300 壽屋ビルプラモデル』。東京都立川市にある「壽屋本社ビル」をプラモデル化したもので、プラモデルファンの間で大きな話題となった。

 コトブキヤと言えば、昔から、巨大ロボットやミリタリー系、そして、ノズルやモールドといった小物まで、幅広く取り扱っている老舗のプラモデルブランド。

 そんなコトブキヤの記念限定プラモデルは、組み立てが簡単なのに、本格的な仕上がりとなる工夫が凝らされている。随所にスナップフィットジョイントが採用されているため、接着剤がなくても組み立てることが可能。付属のシールも充実しており、塗装の必要もなしなのである。

 とはいえ、その気になれば凝ったアレンジをすることもできる。屋上にあるプレハブの中にはジョイントが内蔵されているので、様々な拡張部品でカスタマイズ可能なのだ。

 2023年3月25日には「言吹展70」というイベントが開かれ、ゴールドメッキとシルバーメッキのゴージャスなアレンジや、屋上に本物のコケを生やしたアレンジが展示された。

 ネタ要素が強い「トンデモプラモ」の世界だが、クセの強いプラモデルを様々な技術でアレンジしてみるのも面白そうだ。今度はどんな「トンデモプラモ」が登場するのか、楽しみである。

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