令和の時代に次々とリメイク作品が放送されている昭和の懐かしいアニメたち。当時の面影を残しつつ、生まれ変わったあの頃の名作を見て、懐かしさがこみ上げる視聴者も多いのではないだろうか。
さて、リメイクアニメの中には、見た目が大きく変化したキャラクターがいる。特に変化を遂げやすいのは、時代ごとに好まれる絵柄が変わる女性キャラだろう。中には、「これだれ?」と戸惑うくらいに“美少女化”している人物もいるほどだ。
そこで今回は、リメイクアニメで美少女化したキャラクターたちを見ていこう。
■『妖怪人間ベム』誕生から50年!『BEM』で見せたベラの変化
「はやく人間になりたい」というセリフでおなじみの『妖怪人間ベム』は、1968年にフジテレビ系で放送されたアニメだ。主人公は、一つの細胞から生まれた妖怪人間ベム、ベラ、ベロ。人間への強い憧れを持ち、弱きを助け悪をくじく、人間よりも人間らしい一面がある魅力的なキャラクターたちだ。
同作はこれまで、アニメ、コミカライズ、実写化と様々な媒体でリメイクされてきた。その都度キャラクターに多少の改変が見られるのだが、最も変化が大きかったのが女性キャラであるベラだろう。
オリジナルアニメでの彼女は、青白い肌に濃いメイクの釣り目、赤いマントに紫のドレスという大人の女性の外見。妖怪形態のときは怖いが、人形態のときの妖艶さとのギャップが引き立ち強い個性を放っていた。
彼女は、2006年に制作されたアニメ『妖怪人間ベム HUMANOID MONSTER BEM』では、目が大きくなり、顔つきが現代風に変化している。
そして、最大の変化を見せたのが2019年にスタートした完全新作アニメ『BEM』である。同作でのベラは推定10歳以上若返り、「アナベラ」と名乗る肌色の顔に赤髪、ミニスカートの女学生になっていた。
クールな顔つきは原作と同じだが、妖艶さや大人っぽい要素はなくなった。そして、ベロも負けず劣らずヘッドフォンを付けた白髪の現代っ子という大きな変化を遂げていた。
ちなみに、ベラが若返った代わりに、青白い顔、黒髪、マントに濃いメイクというオリジナルベラを彷彿させる謎の女・ベガが敵として登場している。
■変化率ナンバーワンは彼女?!『ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘
リメイクでかわいくアレンジされたキャラといえば、『ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘も外せない。
『ゲゲゲの鬼太郎』は、これまで各年代で6つのアニメシリーズが放送されてきたが、鬼太郎をはじめ、メイン妖怪たちにデザインの変化がない中、猫娘だけはバージョンアップを遂げてきた。
1968年の第1期はゲストキャラだったため、トレードマークのリボンもなく、顔つきも女の子らしさをあまり感じないが、1971年の第2期以降はレギュラーとなり、リボンがついて女の子らしくなる。そして1985年の第3期からは猫目になり、猫娘らしさが増していった。
1996年の第4期では髪色が紫に変化。刈り上げヘアだが、目がさらに大きくなって猫っぽさと女の子ぽさがバランス良く混ざりあっていた。この4期が、最も猫娘らしかったのではないだろうか。
美少女化が始まったのは2007年の第5期のことだった。このときから猫娘は身長が伸びて“くびれ”が出現し、体つきが一気に女性らしくなる。さらに茶髪になって、これまでのおかっぱヘアや釣りあがった目元も現代風にアレンジされた。口元に猫娘らしい牙が生えてはいるが、全体的に人間ぽさが強くなっている。
そして、視聴者に衝撃を与えたのが2018年の第6期だ。身長は5期よりも伸び、足長小顔の8等身モデル体型へとシフト。これまでは妖怪の面影を感じられたが、今回は完全に「人間の美少女」となっていた。
紫の髪色やメイン衣装のデザインは4期と似ているが、刈り上げではなくリボンでまとめたお団子ヘアになり、ヒールを愛用。鬼太郎への想いは変わらないが、二人が並ぶともはやお姉さんと弟である。