■立派な阪神ファンになりゴールを目指す『人生ゲーム阪神版』
最後は、1999年発売されたボードゲーム『人生ゲーム阪神版』だ。
1999年は、前年最下位に沈んだことを受け、野村克也新監督のもと、チームの再構築をはかった年だった。ただ、最終的には2年連続の最下位で終えてしまい、阪神ファンにとっては厳しいシーズンとなった。
そんななか発売されたのが、ボードゲーム『人生ゲーム阪神版』だ。自らを奮い立たせるかのように「それでも阪神が好きやねん!」とパッケージに大きく描かれた文字が、なんとも涙を誘う。
ルーレットを回しコマを進めていく通常の『人生ゲーム』と基本システムは同じだが、プレイヤーは“ミーハーファン”からスタートし、ファンとして役割を見つけ、ファンの証である“虎吉ポイント”を獲得しながらゴールを目指していく。
ゲームで発生するイベントもユニークで「巨人戦。バース、掛布、岡田バックスクリーン3連発!狂喜乱舞の虎ファン。50万虎吉ポイントもらう。」「1998年阪神優勝!? 二軍の話でした。素直に喜べないなんてまだまだ修行が足らんな。3000万虎吉ポイント払う。」など、ファンの心をつく内容となっている。
ほかにも知識を問われる「阪神常識クイズ」や「シルエットクイズ」なども満載で、阪神ファンで集まって遊ぶと大盛り上がり必至の内容となっていた。
今回はこれまでゲーム化された「阪神タイガース」商品の数々を紹介してきた。ソフトからゲーム機本体、さらにはボードゲームまでさまざまな商品が登場していたが、優勝した年、最下位に沈んだ年、そのどちらでも発売されているのが“阪神ならでは”ではないだろうか。
ゆえに、これらのゲーム化された「阪神タイガース」商品の数々は、優勝の歓喜も最下位の屈辱も球団とともに味わった虎党の証でもあった。