1981年から『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった高橋陽一さんによるサッカー漫画『キャプテン翼』が、2024年4月4日発売の『キャプテン翼マガジンvol.20』をもって43年にわたる連載に幕を降ろした。
同時に、高橋さんは今後の展開について、同日公開となった新WEBサイト『キャプテン翼WORLD』内で、鉛筆描きのネーム状態で物語の続きをアップしていくと発表している。
それまで野球人気が高かった日本に、サッカーを浸透させる大きなきっかけとなった『キャプ翼』。漫画、そして1983年から放送が始まったテレビアニメに刺激を受けた少年少女たちは、大空翼らのスーパープレイの数々をこぞってマネしたものである。
さらに、『キャプ翼』は世界中のサッカーファンたちにも大きな影響を与えており、中には子どもの頃からのファンを公言しているトップアスリートもいるほど。今回は、そんな『キャプ翼』に影響を受けたという海外サッカー選手たちを見ていこう。
■日本での活躍も記憶に新しいイニエスタ
スペイン生まれのアンドレス・イニエスタは、1996年から長きにわたりFCバルセロナで活躍し、”魔術師”の異名を持つスーパースターだ。キャプテンとしての資質も高く、スペインでは35以上のタイトルを獲得し、2018年に移籍したヴィッセル神戸では、クラブを初の天皇杯優勝に導いた。
1984年生まれのイニエスタは、まさに『キャプ翼』ど真ん中世代。これまでにもしばしば翼や日向のユニフォームを私服にしている姿が激写されており、“ガチファン”ぶりが知られている。
2019年に「京成電鉄四ツ木駅キャプテン翼プロジェクト」のオフィシャルサポーターに就任した際には、記念セレモニーのトークで「幼少期に朝8時頃放送されていたアニメを学校に行く前によく見ていた。プレイもマネしていた」と明かしていた。
■石崎推しを公言するガットゥーゾ
コアなファンといえば、ジェンナーロ・ガットゥーゾも外せないだろう。1978年に生まれたガットゥーゾは、闘争心溢れるプレースタイルが印象的な名選手。ACミランで長年活躍し、引退後は監督としてナポリやバレンシアで指揮をとった。
そんなガットゥーゾも、幼少期からの『キャプ翼』ファンであることを公言している。『増刊ヤングジャンプ』の「キャプテン翼ファイト!日本増刊」では「一番好きだったアニメ」と語り、「当時はみんな翼のファンで、GKは若林ファン。でも俺だけは違っていて石崎が好きだった。顔もサッカーもイマイチだけど、石崎の仲間を想う優しさに心を打たれた。人生においてもああいうヤツが必要だ」と語っている。
ガットゥーゾが語る石崎了は、「顔面ブロック」などの激しいプレイスタイルが特徴の選手。たしかに、ガットゥーゾの噛みついたら離さない闘犬スタイルとは共通点がある。
■肖像画のプレゼントに大喜びしたエムバぺ
現在、パリ・サンジェルマンからR・マドリードへの移籍が注目を集めているキリアン・エムバぺ。リーグ・アン得点王など輝かしい記録を持つフランスきっての名フォワードである彼も、『キャプ翼』好きを公言するトッププレイヤーの一人だ。
エムバぺは1998年生まれで、これは『ジャンプ』での「ワールドユース編」連載が終わった翌年でもある。今回紹介する選手の中では若いが、行動の随所に作品への愛が見られる。2018年には、トゥールーズ戦で若林源三と同じキャップ(OKAWA SPORTから発売された正規ライセンス商品)を被っている姿が目撃された。
2019年の初来日でPSGストアを訪れた際には、『キャプ翼』を子どもの頃から見ていた大好きなアニメだと発言し、高橋さん描き下ろしの肖像画をプレゼントされると、満面の笑みで喜んでいた。
さらに、2022年にチームで来日した際には高橋さんのライブドローイングに立ち会い、退場の指示が出ても足を止め、翼が描かれる様子をネイマールらと最後まで見つめていた。