■“戦場”さながらの気を抜けないアドベンチャーパート
“実写化”だけでもインパクト大な本作だが、肝心の“ゲームシステム”もなかなかの曲者だ。
『機動戦士ガンダム』のゲーム作品といえば、モビルスーツを操って敵を撃破していく「アクションゲーム」が多いが、本作は原作シナリオを追体験することに重きを置いたためか、いくつかの選択肢から正解を選び取っていく「アドベンチャーゲーム」というジャンルとなっている。
具体的にはガンダムに乗った主人公が、その時々で4方向への「移動」と「攻撃」「防御」「操作」のどれかを選択し、ステージを進んでいく。さらに「攻撃」には「ビームサーベル」「格闘」「頭部バルカン砲」「ビームライフル」「ハイパーバズーカ」の5種類が用意されており、場面に応じて適した武装を選ばなくてはいけない。
選択肢自体にはそこまで違和感を抱かないかもしれないが、問題なのはその“難易度”だ。実は本作、間違った選択肢を選ぶとほぼほぼ「即死」してしまうため、常にこの膨大な選択肢のなかから正解を引き当て続けなければならない。
しかも、そのほとんどがノーヒントであるため、プレイヤーは実際にゲームをプレイし、何度も失敗しては同じシーンを繰り返すことで、徐々に正解の選択肢を掴み取るほかないのである。
このため、「アドベンチャーゲーム」としても、本作は屈指の高難易度を誇る一作としても有名になってしまっているのだ。ある意味でこれも、一手のミスで命を落とす“戦場”のリアルさを表現しているのかもしれない。
海外のキャストを使った“実写化”や超高難易度のアドベンチャーなど、“ガンダムゲーム”のなかでもなかなか挑戦的な一作となった『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』。
だが、一方で裏設定も活用したオリジナルシナリオなど、本作ならではの表現が随所に登場している。攻めに攻めたその内容は、今こそ再確認するべきなのかもしれない。