■恋の行方に全女子が夢中に
1982年に連載がスタートした池野恋氏の漫画『ときめきトゥナイト』に登場した真壁俊は、プロボクサーを目指す寡黙なイケメンだった。プロボクサーを目指しているのは、片親で自分を育ててくれた母に楽をさせてあげたいという理由から。
「まってなおふくろ 。いまにおれがこの腕でおふくろを食わしてやるよ」と意気込むシーンは、彼の芯の強さが垣間見れて惚れ惚れしてしまう。この描写からもわかるが、俊はぶっきらぼうだが根が優しく、情熱的な一面も持っているという女子が憧れる男子そのものだった。
そして、主人公・江藤蘭世との恋が進展し始めてからの俊は、キス未遂やお姫様だっこなど、Sっ気全開の胸キュンアクションを見せるようになり、さらにかっこよさを増していく。
印象的なのはやはり、口封じのキスからの壁ドンだろう。冥王ゾーンの追従を逃れた後、再び魔界に向かう俊に「どんな時だって真壁くんのそばにいたい」とついていこうとする蘭世の腕をグイッと掴んで引き寄せてからのキス、そして両手壁ドンしながらの「…たのむ …ここにいてくれ…」は痺れた。行動で気持ちを示しつつ、蘭世を危険から遠ざけようとする姿にキュンとなった読者も多いはずだ。
壁ドンから遡るが、蘭世の弟・鈴世の誕生日祝いをかねたクリスマスパーティでの一コマもよかった。帰る素振りを見せた後に、少し離れた場所から「これやるよ」とプレゼント(ペンダント)を投げて渡すのだが、これはとんでもない胸キュンサプライズだ。そのまま「おやすみ」と振り向かずに去っていくあたり、照れくさかったのだろうが、俊の不器用な愛が垣間見える。