あのころ私たちは恋をした!須藤晃に羽山秋人…黄金期『りぼん』に登場する「ちょっとワルなプリンス」たちのカッコ良すぎた胸キュン言動の画像
アニメ『こどものおもちゃ』DVDBOX/小学生編BOX1より (C)小花美穂/集英社 (C)小花美穂/集英社・NAS

 80年代から90年代初期は、少年漫画で起こったヤンキーブームの影響を受け、少女漫画でも“ヒロイン×ちょっとワル”の恋が描かれることが多かった。

 少女漫画のヤンキーは、少年漫画の不良のように飛び出たワルではない。だが、彼らのクールな雰囲気、ふとした瞬間に見せる優しさ、本気の恋に落ちたときの表情、ヒロインへのあふれ出る想いに痺れたという女子は多いだろう。

 今回は、そんなちょっとワルな少年たちが見せた「カッコよすぎな言動」を振り返ってみよう。

■名シーンの連続に心が震えた...!

 まずは、1991年に連載が始まった矢沢あい氏の漫画『天使なんかじゃない』から、リーゼント頭が特徴的な須藤晃を見ていきたい。彼は大企業の跡取り息子であり、聖学園第一期の生徒会長というエリートな人物に見えるが、中学時代は親の離婚を機にグレて、金髪リーゼントの不良少年だった過去がある。

 見た目が怖くクールだが、根は愛情深い晃。主人公・冴島翠とのすれ違う恋はどこまでも切なく、感情移入しすぎて胸が苦しくなるくらいに読者を夢中にさせた。

 ヤキモキさせる行動も多い晃だが、ここぞというときに甘酸っぱいセリフを口にしていたのも思い出深い。最も胸キュンだったセリフは、翠に言った「おれがおれの手で幸せにしてやりたいと思うのは おまえだけだ」だろう。

 晃の兄・将志の恋人であるマキちゃんと晃の関係に苦しんできた翠にとって、この言葉は何よりも嬉しいもの。二人を見守っていた読者もまた、苦難を乗り越えて結ばれたことに涙した名セリフだ。

 さりげない行動の中にも、晃のカッコよさが現れていた。たとえば、全校生徒の前で派手に転んだ翠をフォローしたとき。泣きながら舞台裏から去ろうとする翠の顔を見た晃は、小さく微笑んで「ゆっくり3数えたら ドアを開けろ」と言い、生徒の視線を自分に向けて彼女を助けた。こんなことをされて落ちない女子はいないだろう。

 さらに晃は、友人想いな一面もある。留学を決めた麻宮裕子に本音を言えずにいる瀧川秀一に対して言った「相手の都合なんか かまってらんねぇくらい 伝えたい気持ちねぇのかよ」のセリフは、恋愛中の人の心にも刺さる名言だ。この言葉をきっかけに、秀一とマミリンは本音でぶつかり合い絆を深めていく。

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