■Dr.マシリトが作りそう!? 「キラーマシン」と「ゴーレム」

 さて、強敵の部類になると「キラーマシン」や「ゴーレム」も感慨深い。
『ドラクエ2』で登場するマシン系のモンスターであるキラーマシンは、一般モンスターのなかでもかなり強敵だった。メタルボディに剣と弓を装備しており、背中には矢筒があって4本足で立っている姿がカッコいい。初登場のときには、その強さに身構えるプレイヤーも多かっただろう。

 そして、『ドラクエ1』に登場した怪力を誇る「ゴーレム」。巨体から繰り出される攻撃力が凄まじく、イメージからして力がありそうである。

 両者共にシリーズで人気の敵モンスターで、鳥山さんの代表作でもある『Dr.スランプ』に出てきそうなビジュアルだった。なんだか、Dr.マシリトが作っていそうでもあったな。

 この両者に全滅させられたこともあったが、どこか憎めない愛嬌あるモンスターだった。

■身震いした初対戦…一回戦っただけでも脳裏に焼きついたボスキャラ

『ドラクエ』では、やはり中ボスやラスボスとの対決が盛り上がる。

『ドラクエ1』の「りゅうおう」は迫力満点だし、通常のドラゴンを凌ぐ力強さが見られた。そして、『ドラクエ2』の「破壊神シドー」はりゅうおう以上の迫力だ。初見で“これは勝てなさそうだ”と、イメージを植え付けられてしまった。

『ドラクエ6』では『ドラゴンボール』にも登場してきそうな「ムドー」と「ダークドレアム」だ。ムドーはフリーザ配下でナメック星にも登場しそうだし、なんならピッコロ大魔王のタマゴからも産まれそうである。序盤で対決する敵キャラとしてはかなり強烈で、何度も全滅したものだった。

 そして、歴代ボスキャラのなかでもトップクラスの実力を誇る、裏ボスの「ダークドレアム」。

 強靭な肉体を持っており、まさに孫悟空のライバルになりそうなキャラだった。立ち姿や戦闘時のポーズもカッコよく、超難関のラスボス「デスタムーア」を簡単にやっつけてしまうほどの強さは圧巻。スーパーサイヤ人でも勝てないんじゃないか……というイメージがあったな。

 

『ドラゴンクエスト』といえば、壮大なストーリーや絶妙なゲームバランスが楽しめたものだ。だが、そこには憎い敵キャラとしてではなく愛嬌あるモンスターの存在があってこそだろう。

 鳥山さんの訃報を受け、『ドラクエ』の生みの親である堀井雄二さんは「ドラゴンクエストの歴史は、鳥山さんのキャラデザインとともにありました。」「亡くなってしまうなんて……これ以上、なんて言えばいいのか言葉になりません。本当に、本当に、残念です」とコメントを寄せている。

 鳥山さんが手掛けた神がかったデザインのキャラクターたちは、今までもこれからも、多くのファンを惹きつけてやまない。永遠に色あせない偉大な功績を偲びながら、これからも思い切り『ドラクエ』を楽しんでいきたいと思う。

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