永遠に色あせない…『ドラゴンクエスト』デザインが神がかっていた鳥山明さん作画モンスターたち…“スライム”や“ひとくいばこ”、歴代の“ボスキャラ”もの画像
ファミコンソフト『ドラゴンクエスト1』(ふたまん+編集部撮影)

『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』などの作者である鳥山明さんが、3月1日に急性硬膜下血腫のため68歳で亡くなっていたことが発表された。

 鳥山さんといえば、『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターデザインを担当をされていたことでも知られている。なかでも、愛くるしいキャラのモンスターたちのデザインはどれも魅力的で、ファミコン版のころのキャラクターたちですら未だ鮮明に覚えているほどだ。

 そこで、少年時代に大興奮した、永遠に色あせない『ドラクエ』のモンスターたちを振り返ってみよう。

■昭和のおもちゃのイメージを覆した「スライム」

 まずは、序盤に登場する「スライム」だ。もはや定番のモンスターであり、お馴染みのキャラクターでもある。シリーズによっては味方になることもあれば、町やダンジョンで冒険のアドバイスをくれる場合もあった。

 筆者たち昭和世代のスライムといえば、小さな容器に液体のようなどろどろとした物質が入った“おもちゃ”で、おもちゃ屋や駄菓子屋で売られていた記憶がある。

 それまで“形”がなかったスライムだが、『ドラクエ』が発売されてからは宮殿の屋根の形や、たまねぎのような現在のスライムが定番のイメージに変わっていった。

 もはや令和の小学生である筆者の娘でもスライムといえば、鳥山さんがデザインしたドラクエのスライムを指すほど。いまや、“国民的キャラクター”のひとつといっても過言ではないだろう。

■吸血コウモリのイメージが和らいだ「ドラキー」

 次は、こちらも冒険の序盤に登場する「ドラキー」だ。こちらもシリーズお馴染みのキャラクターで、はじめて遭遇した浮遊モンスターといえる。

 80年代はホラー映画がブームだったので、“吸血コウモリ”といえばどこかホラーチックなイメージがあった。だが、ドラキーはまるでペットのような雰囲気さえ醸し出していて馴染みやすく、グラフィックが進化するごとにますます可愛いデザインとなっていった。吸血コウモリのイメージが和らいだともいえるのが、ドラキーの存在だろう。

 低いレベルで遭遇すれば怖い敵だったが、レベルが上がったり武器を新調したとき、与えるダメージ量で強くなった実感が湧いたものだ。

■強さがカッコいい「スライムナイト」と不気味さ満点の「ひとくいばこ」

『ドラクエ5』から登場した人気モンスターといえば、やはり「スライムナイト」だろう。緑色のスライムの上にまたがった騎士の姿がかっこよく、当時、雑誌の紹介で見た時には大興奮したものだ。しかもかなり強力な仲間になってくれるので、非常に愛着のあるモンスターでもある。

 以降のシリーズにも登場しているが、仲間になるときの1匹目は必ず“ピエール”と名乗るから面白い。友人と『ドラクエ』の会話をする際、ほかの敵キャラを仲間にしたときはモンスター名を挙げるが、スライムナイトだけはピエールで通用するほど有名だ。

 そして、シリーズ定番のトラップモンスターである「ひとくいばこ」。宝箱を開けるとギザギザの白い歯に長く伸びた赤い舌、中からぎょろりとこちらを見つめるニヤけた目が不気味さを強調している。

 リメイク版以降の戦闘においては「ミミック」が強烈だが、ファミコン版の初登場時のインパクトはひとくいばこのほうが凄まじかった。しかもとてつもない攻撃力を持っているものだから、かなり恐怖だった。あのこちらを見下すような目が痛烈にトラウマとなってしまったものだ。

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