■「モダン操作」など、近代格闘ゲーム『幽☆遊☆白書』の画期性
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の世界的なブームは、格闘ゲーム界において衝撃的であった。この『スマブラSP』のブームの原因の1つには、コマンドを必要としない、2ボタンの組み合わせで技を出せる格闘ゲームという側面があることは、多くの格闘ゲーム関係者によって考察されている。
そんな中で、ワンタッチで技を出せる「モダン操作」を2023年6月に発売された『ストリートファイター6』が採用。その目論見が当たったのか、こちらもブームとなっている。
革新的な機能だが、この「モダン操作」をはじめとした、近代格闘ゲームの多くの要素を、1994年発売のメガドライブ用ソフト『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』が先取りしていた。
まずは、「モダン操作」のようなコマンドの簡易化。2ボタンの同時押しや、下→横といった簡単なコマンドだけで技が出せるので、コマンド練習をする必要が、ほとんど無い。
同作は最大4人対戦も可能で、パーティーゲームとしての側面もあった。これも近代の『スマブラ』シリーズのようである。
空中に浮かせてからコンボを繋げていく「エリアルコンボ」システムも、爽快感があり、近代格闘ゲームで好評な部分の1つだ。「エリアルコンボ」の語源となった「エリアルレイヴ」システムは、1995年より稼働されたアーケードゲーム『マーブル・スーパーヒーローズ』が初登場である。これがきっかけとなり、『ギルティギア』シリーズなど、後の様々なゲームに取り入れられていくことになる。
そんな「エリアルコンボ」も1994年時点でメガドラ『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』に実装されている。投げ技が、大きく空中に浮かせる技となっていて、そこから追撃ができるという仕組みとなっており、当時はかなり斬新だった。
近代的な、現代の様々な格闘ゲームシステムが組み込まれている『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』。まるで未来のゲームを先取りしたような作品ではないだろうか。