■「パプワくん」「魔法陣グルグル」の作家も執筆

 個性豊かな作家が名を連ねる『ドラクエ4コマ』だが、その中でも伝説的作家が2人いる。1人目は、『南国少年パプワくん』『ジバクくん』などで知られている柴田亜美さんだ。

 柴田さんの『ドラクエ4コマ』といえば、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の男武闘家に「もりそば」、男賢者に「うおのめ」と名付ける伝説のギャグが有名。どことなくすっとぼけたパプワくん風の勇者など、柴田亜美ワールド全開の作風だ。

 そして、もう一人が『魔法陣グルグル』で知られている衛藤ヒロユキさんだ。前述した、マーニャはギャンブラー、ミネアは根暗という設定を生かしたギャグはもちろん、衛藤さんのシュールなギャグが盛りだくさん。ちいさなメダル2150枚用意してはぐれメタルヘルムを107個要求するネタや、大開脚したマーニャをみてパニックになった勇者が大根を片手に「ふんどし!!」と叫ぶといった、衛藤さんならではのネタを今でも覚えているという人も多いだろう。

 その他にも、『ジャングルはいつもハレのちグゥ』『ゆうべはお楽しみでしたね』の金田一蓮十郎さんや、『ドラゴンクエストの公式ガイドブックにイラストを提供している村上ゆみ子氏なども連載していた。

■『ポケモン』4コママンガも『4コママンガ劇場』は拡大

『ドラクエ4コマ』が人気となり、『スーパーマリオ』や『ポケットモンスター』、『ストリートファイターII』といったエニックス以外のゲームの『4コママンガ劇場』も刊行。作品の世界観の理解や、ゲームの普及に一役買っている。

 また『ドラクエ』のナンバリング作品だけでなく、『ドラゴンクエストモンスターズ』の『4コママンガ劇場』や、読者投稿の4コマ漫画を集めた『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 番外編4コマクラブ傑作集』なども刊行し、90年代の4コママンガブームを盛り上げた部分もある。

『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』には、本編にはないキャラの個性や設定があり、『ドラクエ』という作品に新たな色をつけてくれた。また、強烈なギャグやネタは、令和の時代に見ても、色褪せることなく、爆笑できるほど面白い。

『ドラクエ4コマ』が刊行されなくなって久しいが、ぜひ復活を期待したい。

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