■シリーズが出ないのはもったいないくらいのミステリー『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』
1989年にディスクシステムで発売されたのが、『ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女』(任天堂)だ。前作『消えた後継者』の前日譚であり、単にアドベンチャーゲームとしてだけではなく、ドラマのようなストーリーも素晴らしかった。筆者は前作で大ファンになっていたため、発売が待ち遠しかったものだ。
そして、なんといっても怖い……。甲高いBGMに恐怖心が煽られるし、ファミコンのドット絵ならではの不気味さがあり、ホラーゲームとしても優秀だった。
本作は、1998年にスーパーファミコン版(ニンテンドーパワーによる書き換え)がリメイク発売されている。グラフィックが綺麗になっていたし、もう一度遊びたい人も多かっただろう。ただ、ニンテンドーパワーは周囲でもほとんど利用していなかった。当時はすでに初代PS、セガサターン、NINTENDO64などが発売されていたので、仕方がなかったといえるだろう。
そして、オリジナルから32年の時を経て、2021年にはニンテンドーSwitchから新たにリメイク版が発売された。フルボイス化がおこなわれており、主人公は『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役や、『幽☆遊☆白書』蔵馬役などでも有名な声優・緒方恵美さんが演じている。
なんといっても相棒の橘あゆみが可愛い……と、それは置いておいて……本当にアニメを見ているかのような綺麗なグラフィックに、心理描写も非常に分かりやすい。ちなみに、筆者の子どもたちにもプレイさせてみたが、「面白いし、怖かった」と満足気に答えてくれた。オリジナルをやり込んだ1ファンとしても、嬉しかったものだ。
ただ、残念なのはこのシリーズが発売されていないことだろう。1997年にスーパーファミコンのサテラビューであゆみが主人公の『BS探偵倶楽部 雪に消えた過去』が配信されたが、持っていなかったし、どうせならゲームソフトとして販売してほしかった。
『ファミコン探偵倶楽部』は2作ともかなり人気があったので、ぜひとも続編を期待したいところである。
さて、2度も“神リメイク”された作品というのは珍しいが、おかげで世代を問わず楽しめるし、オリジナルに熱中した人ももう一度思い出して楽しめるものだ。
2024年、まずは『ペルソナ3 リロード』に熱中するのは間違いない。そして、『ドラクエ3』も待ち遠しい。続報を楽しみにしていよう。