■無敵の女性ボス『パロディウスだ!』の「ちちびんたリカ」
ここまでは見た目が怖いタイプの女性ボスを紹介したが、ポップでかわいいながらも怖い敵もいる。最後に紹介するのは、巨大な身体で一部のプレイヤーを恐れさせた「ちちびんたリカ」だ。
彼女は1990年に稼働したコナミのアーケードゲーム『パロディウスだ!~神話からお笑いへ~』に登場する中ボスで、宝石やスパンコールを散りばめたサンバ衣装を身にまとった女性キャラ。
問題となるのは、そのデカさと強さだ。もともとは『グラディウスII』に登場するカニ型兵器「クラブ」のパロディではあるのだが、そのサイズは、画面いっぱいに広がる大きさで、天井に手をついてガニ股で迫ってくる。しかも撃破は不可能で、ちちびんたリカが去るまで、ただひたすら逃げ続けるしかない。セクシーではあるのだが、不穏なBGMに切り替わりステージに突如、満面の笑顔の謎ポージングの巨大女性が画面いっぱいに登場するというシュールな怖さがあるのだ。
ファミコンへの移植版『パロディウスだ!』では彼女は「ミス・ミシタリーナ」というキャラに差し替えられ、衣装も手品師のようなスタイルへと変更されている。怖さでいえば、やはり「ちちびんたリカ」とは雲泥の差だろう。
その他にも、今年5月で誕生から30周年を迎える恋愛アドベンチャー『ときめきメモリアル』の藤崎詩織は、口説き落とすのが難攻不落すぎて、「ラスボス」とまで恐れられていた。レトロゲーム時代の女性ボスは、今でも多くの人々に愛され、恐れられ続けている。彼女たちの恐怖と魅力は、時を超えて語り継がれていくことだろう。