ドット絵だから想像が膨らむ…「こいつは怖かった!」レトロゲーム時代の「女性ボス」たちの画像
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(任天堂)パッケージより

 アクションでもRPGでも、ゲームといえばプレイヤーに恐怖を与えてくるトラウマボスがつきもの。ビジュアル的に恐ろしいボスもいれば、あまりにも強敵すぎることで「二度と顔も見たくない」と恐怖心を与えてくるやつもいる。

 それは男性ボスだけではなく「女性ボス」も同じことで、予想外の強力な攻撃を繰り出して、プレイヤーにトラウマを植え付けてきた女性ボスたちは少なくない。ファミコンスーパーファミコン時代のゲームでは、ドット絵の彼女たちがどれだけ凶暴に見えたことか……。

 そこで今回は、今では「レトロゲーム」と呼ばれるような時代のゲームから、「恐ろしかった女性ボス」を振り返りたい。

■強キャラで愛されキャラでもある『熱血硬派くにおくん』のスケバン「みすず」

 まず紹介するトラウマ女性ボスは、「くにおくん」シリーズの初代作『熱血硬派くにおくん』の「みすず」だ。1986年にアーケードゲームとして稼働が始まり、翌87年にファミコンへと移植された同作。

 キャラをデフォルメした、のちのシリーズ作品とは違い、本作はリアルな等身の「くにおくん」を操り、不良たちとのケンカを繰り広げるベルトスクロールアクションで、ステージ3で登場する恐怖の女性ボスが、太陽学園の女番長「みすず」だった。

 彼女は、頭身が今まで登場したキャラクターより一回り以上もデカく、まさに巨体。ロングスカートをはいたスケバンらしい出で立ちで、ドット絵ではあるものの見た目がもうすでに強敵の風格をしている。もちろん見た目の怖さだけではなく、高い戦闘能力も有している。

 デカい図体を活かした攻撃を繰り出し、掴まれてのビンタ投げは数メモリ分のダメージを受ける。さらには、思いのほか素早くタフなのだ。

 あまりにも強烈なキャラだったのか、以降のシリーズでもみすずは常連キャラとなり、プレイヤーの行く手を阻んでくる。「りき」に「さぶ」といった男たちの中で、唯一女性ボスとして君臨する「みすず」。現実にいたらどんなに恐ろしいだろう……。

■『FF4』の半妖化した母「エブラーナおうひ」

 続いて紹介するのは、『ファイナルファンタジーIV』に登場する「エブラーナおうひ」だ。

『ファイナルファンタジーIV』は、主人公・セシルが故郷・バロン王国を影で操るゴルベーザを倒すべく、仲間との出会いと別れを重ねながら冒険をするストーリーが魅力的な作品だ。

 そんな同作で、恐怖の女性ボスとして立ちはだかるのが、仲間の1人である「エッジ」の前にあらわれた彼の母親「エブラーナおうひ」だ。

 エッジの祖国はゴルベーザ四天王の一人であるルビカンテによって滅ぼされており、彼は殺された両親の復讐を決意していた。そしてストーリー中盤、バブイルの塔で殺害されたと思っていたエブラーナ王とエブラーナ王妃に再会するのだが、喜びも束の間、なんと両親がゴルベーザの手下であるルゲイエの手によって、モンスターになっていたことがわかるのだ。

 王は全身が獣のようになっていたが、王妃は顔だけは美しいまま残されており、細長い全身とコウモリのような羽を生やしている頭部を持つという不気味なデザイン。そして戦いの最中に人間としての理性を取り戻し、二人は「いきていては いけない そんざいなのだ」「いしきのあるうちに われわれは ここを さらねばならん…」と自ら命を絶ってしまう。

 強さでいえば大したことはないボスではあるが、『FF』シリーズの数ある女性タイプのボスの中でももっとも強烈なインパクトを与えてくれる「エブラーナおうひ」。見た目のおぞましさもあるが、BGMが途中で変更するなど、戦闘時の演出がプレイヤーにトラウマを与えた。

 同じように恐ろしい元人間の女性ボスでは、1988年に稼働を開始した「スプラッターハウス』の「ジェニファー」もそうだろう。同作は、主人公・リックが化け物にさらわれた恋人・ジェニファーを助け出すため、化け物が巣食う館を彷徨うというストーリーだが、ステージⅤで異形の怪物に改造させられた彼女を目にする。

 最終的には、リックの手によって倒され、腕の中で息絶えてしまう。エブラーナ王妃と同じく、美しい女性が醜い姿に変えられ、さらに愛する人を襲ってくるというトラウマを与えたボスだ。

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