■トシちゃんが先生? 意外なキャスティングが見事にハマった『教師びんびん物語』
最後は、1988年4月からスタートした『教師びんびん物語』だ。主人公の徳川龍之介には田原俊彦さん、相棒となる後輩教師・榎本英樹は野村宏伸さんが演じている。
『ラジオびんびん物語』に次いでのコンビ出演だったが、当時はまさかあのトシちゃんが先生役になるの?と、度肝を抜かれたものだ。ドラマではアイドルの印象もなく、熱血教師を思い切り演じていて驚いた。榎本が「せんぱ~い」と呼ぶくだりは、学校のクラスでも流行っていたな。ちなみに、萩原流行さん演じる教師の満田の演技も面白かった。
ドラマは続編も大人気となり、トシちゃんが歌う「抱きしめてTONIGHT」や「ごめんよ 涙」も一世を風靡した。当時はまだまだカラオケも普及していない時代で、遠足や修学旅行などの際、バスの中でみんなで一緒に歌ったものだ。
パート1の卒業証書を渡すシーンは、出演者がみんな本気で泣いているんじゃないかと思ったほど感動した。
そういえば、このドラマは4月スタートだった。実生活では新学期が始まる月で、あんな先生がいたらいいなあと子ども心に思っていたが、思えば当時の先生たちも生徒に対して必死に向き合ってくれたのだろうと、大人になってからしみじみと振り返ってしまう。
さて、80年代は本当にいいドラマが多かった。当時は子どもの目線で楽しんでいたのだが、大人になってから見てみると、また違った面白さが見つかるのだろう。
あらためて、なんとか再放送してくれないかなあと思ってしまう名作学園ドラマばかりだな。