『天才てれびくん』は、1993年からNHK教育テレビ(現在はEテレで放送)でスタートした子ども向け番組だ。タイトルや出演者を変更しながら30年以上に渡って放送を続けているため、同番組を見て育ったという視聴者は多いのではないだろうか。
同番組のターゲット層は幼児から小中学生までの子どもたちであり、「てれび戦士」と呼ばれる出演者たちも同世代の子どもたち。中には、この番組をきっかけに俳優やマルチタレントの道を花開かせた人もおり、登竜門的な番組とも言えるだろう。
今回は、ウエンツ瑛士さん、大沢あかねさん、生田斗真さんのように「てれび戦士」出身で現在活躍中のタレントたちを何名かピックアップして見ていこうと思う。
■声優デビューを果たした飯田里穂さん
元々子役として女優デビューを果たしていた飯田里穂さんは、2002年度から2005年度にかけて「てれび戦士」として出演していた。番組初登場時の彼女はまだ11歳で、ブラウン管の中で元気いっぱいに笑うキュートな姿が印象的だった。
「天てれ」卒業後はCM・ドラマ・映画などに出演していたが、2010年に『ラブライブ!』の星空凛役で声優デビューを果たす。初めての声優ということで苦労や戸惑いも多かったが、アニメが一大ムーブメントを築くほどのヒットを飛ばしたことで飯田さんの声優としてのキャリアも花開き、数々の作品に出演していく。
さらに『ラブライブ!』のメンバーで構成されたアイドルグループ『μ’s』にも選ばれ、『NHK紅白歌合戦』にも出場。現在はソロアーティストとしても活動していて、りっぴーの愛称で多くのファンから愛されている。
ドラマや映画にもたびたび出演しているが、実は『翔んで埼玉』には本人役で登場しているのでチェックしてみてほしい。
■演技派俳優としてマルチな活躍を見せる前田公輝さん
2003年度から2005年度の間てれび戦士をしていた前田公輝さんは、「天てれ」での活躍も印象的だが、6歳の頃から芸能界デビューをしていた長いキャリアの持ち主だ。
NHKとは繋がりが深く、2001年には『さわやか3組』で主演・村上晴夫役を演じている。同番組は小学校の道徳教材としても使われていたので、「天てれ」以前から前田さんを見ていたという視聴者も多いだろう。
本人も、授業で自分の番組を見たことがあることを公言していて、先生の配慮で一人だけ別課題を出してもらったり友人からネタバレを促されたりと、演者ならではの思い出があるそうだ。
卒業後キャリアの転機となったのは、16歳の頃に抜擢された『ひぐらしのなく頃に』の実写映画だ。前田さんは、映画初主演ながら不可解な事件に巻き込まれていく主人公・前原圭一を熱演。その演技力が評価され、2016年からは『HiGH&LOW』シリーズでは轟洋介役として活躍。2022年のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で砂川智役を演じるなど話題作への出演が続いている。