■もはやアーマードトルーパーに近い「ザク・フリッパー」

 パッと見でザクに見えないMSといえば、一番顕著なのがモビルスーツ企画『MSV』で登場した「ザク・フリッパー」だろう。前述した「イリア・パゾム専用ザクIV」は、まだ胴回りが魔改造されているだけという見方もできるし、「ホスピタルザク」はザクウォーリア系の機体なので別作品と捉えることができる。「アプサラス」のようにモビルアーマー化したザクも、カラーリングや肩のトゲトゲにどことなくザクの風貌を感じさせる。

 しかし、ザクの特徴である顔部分が別物に変わっていたらどうなるのだろうか。その答えが「ザク・フリッパー」。全身にどことなく面影はあるものの、顔部分はモノアイではなく三つ目。見た目からすると『装甲騎兵ボトムズ』の「アーマードトルーパー」に近い機体である。

 実際、「ザク・フリッパー」の改良前である「ザク強行偵察型」と、『装甲騎兵ボトムズ』に登場する機体の中でも特に似ている「スタンディングトータス」を並べてみると分かる。明らかに「スタンディングトータス」寄りなのだ。

 とはいえ、「ザク強行偵察型」も、フォルムはザクのものでありながら、モノアイの周りはどちらかというとドム系の印象を受けるなど、オーソドックスな「ザクII」系とは離れたデザインとなっている。

 ちなみに、この特徴的な頭部カメラはかなり高性能で、『機動戦士ガンダム MSV-Rジョニー・ライデンの帰還』の「ジャコビアス・ノード専用ゲルググキャノン」にも使われている。ここまでくると機能的な面でも、本体はザクではなくこのカメラとなってしまった感が強い。

 以上、ザクに見えない変わり種ザクを3種類紹介した。他にも「ザク50」や『機動戦士ガンダムサンダーボルト』版「パーフェクト・ガンダム」など、ザクに見えないザクが存在するが、アナタはどんなザクを思い浮かべただろうか。

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