■『水星の魔女』エアリアルが無敵!? フルアーマー・ガンダムにユニコーンガンダム…鉄壁の防御力を誇る「盾がとにかく分厚い」歴代ガンダムたち(2023年6月25日公開記事)
『ガンダム』シリーズを視聴した人なら、一度は「MS(モビルスーツ)の装甲って、シールドと同じ材質にしたら良くない?」と思ったことがあるのではないだろうか。
もちろんそう単純な話ではなく、たとえば『機動戦士ガンダムSEED』では機体は実弾対策にフェイズシフト装甲、ビーム兵器にはシールドと使い分けている。宇宙世紀でも『機動戦士ガンダムF91』以降のビームシールドは、MSの装甲とは比べ物にならない防御性能を誇るため、ちゃんとシールドには意味があるのだ。
そして『ガンダム』シリーズの中には、そんな強力なシールドをこれでもかと装備した鉄壁の機体がいくつか登場する。今回は、そんな被弾する姿が想像できないような鉄壁MSを紹介しよう。
■デブリ?狙撃?シールド4枚抱えたフルアーマー
まずはジャズをBGMに過酷なサンダーボルト宙域での戦闘を描く『機動戦士ガンダム サンダーボルト』から、主役機の「フルアーマー・ガンダム」を紹介したい。
この機体は、見た目からして直撃を受ける気はサラサラないと言った風貌で、驚異のシールド4枚体制。中身はおなじみの初代ガンダムとほぼ同じなのだが、追加装甲のせいでパッと見は分からないぐらいシルエットが違う。
武装も大出力の2連装ビーム・ライフルに、肩には戦艦すら貫くビーム砲、ミサイル・ポッドが仕込まれているなど、対MS戦において過剰とも思える物量だ。さらには、大型のバックパックに高出力のブースターやバーニアを装備しており、ゴツゴツとした見た目とは裏腹に高い機動力を誇る。
フルアーマー・ガンダムがなぜここまで重装備なのかはその舞台設定にある。同作は宇宙世紀0079年の一年戦争末期から物語がスタートしており、「サンダーボルト宙域」の制宙権を巡る戦いを描いている。そこはコロニーや戦艦の残骸が漂っており、それらデブリがぶつかり帯電することで絶えず稲妻が閃くようになったため「サンダーボルト宙域」と呼ばれるようになった場所。そのため、フルアーマー・ガンダムには微細なデブリが入らないように、関節やバックパックに防塵処理まで施されているのだ。
また、サンダーボルト宙域を防衛しているジオン公国軍の「リビング・デッド師団」に対抗するためでもある。彼らはビッグガンによる長距離狙撃を得意としており、フルアーマーガンダムは不意の直撃を防ぐために4枚ものシールドを装備しているのだ。作中でも、戦艦すら1撃で沈めるビッグガン相手に、「フルアーマー」にふさわしい性能を見せつけた。
とはいえ、フルアーマー・ガンダムの宿敵はサイコ・ザク。フルアーマー・ガンダムと同じか、それ以上の火力を持つサイコ・ザクと戦ったため大破しており、鉄壁の印象が薄いのが悲しいところだ。
■もはや超常現象?コロニーレーザーも防ぐシールドファンネル
次は『機動戦士ガンダムUC』から、MSの域を超えた力を発揮する「ユニコーンガンダム」だ。
フル・サイコフレーム構造と、ニュータイプを感知して変形するNT-Dシステムにより作中では鬼神のごとき活躍をした機体だが、防御面も凄まじい。もともとユニコーンガンダムのシールドは、ビームを防ぐIフィールドバリアによって鉄壁を誇っていたが、そもそもこのIフィールド自体がユニコーンガンダムの時代では、大型MSにしか搭載できないような代物。それをしれっとシールドに仕込んでいること自体規格外とも言える。
そんなユニコーンガンダムのシールドが真の力を発揮したのは、パイロットのバナージが覚醒したシーン。覚醒をきっかけにシールドが自動で動き出し、シールドに連結されていたビーム・ガトリングガンもなぜか起動し、ファンネルと化したのだ。
バナージの意志に感応して、あらゆる攻撃をオートで追従し防ぐ3枚のシールドは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のνガンダムが見せた「フィンファンネル・バリア」の比ではない。
ちなみに、ユニコーンのシールド自体にはバーニアなどは一切付いていない。作者すら把握していない、完全にサイコフレームの発光による謎パワーなのだ。