■氷漬け=敗北確定…最強の技・ふぶき
近年ではその強さから対戦でよく使われるドラゴンタイプだが、実は『赤・緑』時代はあまり使われていなかった。当時はドラゴンタイプがミニリュウ、ハクリュー、カイリューの3種だけだったのもあるが、もっとも大きな理由は最強の技”ふぶき”の存在にある。
こおりタイプの大技「ふぶき」は、3割の確率で相手のポケモンを氷漬けにできた。凍ったポケモンは氷が溶けるまで行動不能になってしまうのは、最近の『ポケモン』と変わらない。
ただひとつ違うのは、『赤・緑』時代の氷漬けはアイテムを使わなければ絶対に治らない点だ。つまり、アイテムが使えない対戦モードでは、氷漬けにされた次点で敗北確定なのである。常に一発逆転を狙えるうえ、威力や命中率も高め。文句なしの最強技だ。
その使い勝手の良さと先に紹介したケンタロスやスターミーが覚えられることもあり、公式大会はふぶきを使うポケモンでひしめきあった。そのせいで、こおりタイプが弱点のドラゴンタイプがまともに戦えなかったのである。
『赤・緑』の対戦で猛威を振るった要素は、次回作の『ポケットモンスター 金・銀』以降おとなしくなる。ステータスの見直しでケンタロスが弱体化し、エスパータイプの天敵となるあくタイプが実装され、氷漬けも自然に溶けるようになった。
ただ、初代ほどの脅威ではなかったものの、ケンタロスは『金・銀』時代でも公式大会の第一線で使われていたことは付け加えておきたい。
幾度となくバランス調整や仕様変更をくり返し、そのたびに強いポケモンが入れ替わるポケモン対戦。その歴史は『ポケモン』の歩みそのものといえるかもしれない。