■令和は種類も豊富になった創作系の駄菓子
数多い駄菓子の中でも、“作る”楽しみがあったものといえば1986年に発売された「ねるねるねるね」だ。CMでは老婆風魔女とテーレッテレーの効果音、「ねっておいしいねるねるねーるね」のキャッチフレーズが印象的だった。
同封されている粉に水を混ぜて出来上がったねっとりとした塊に、付属のトッピングを付けていただく「ねるねるねるね」は、色や形の不思議な変化と自分で作る楽しさが子どもの知的好奇心を大いに刺激し発売から瞬く間にヒット。一時は売上が半減してピンチに陥ったこともあるが、V字回復を果たしたロングセラー商品だ。
2022年には、ワインのアロマ成分を配合した「大人のねるねるね」も発売されているので、あの頃を思い出しながら子どもと一緒に”作る楽しさ”を再び体験してみてはいかがだろうか。
発売元のクラシエは、この駄菓子をきっかけに「知育菓子」というジャンルを打ち立てた。駄菓子作りを通じて子どもに考える機会やチャレンジする機会を与える知育菓子は、近年さらに注目度があがり、バリエーションも増えていく。
ちなみに、令和の知育菓子はチョコバナナやかき氷が作れる「ポッピンクッキン たのしいおまつりやさん」や、自分でいくらやマグロを作ってソーダ味の醤油をつけて食べる「ポッピンクッキン たのしいおすしやさん」など、リアリティを追及したものが多くなっている。
いつの時代も、食べる人の心をワクワクさせてくれる遊べる駄菓子たち。駄菓子屋や駄菓子コーナーでどれを買おうか迷っている時間も封を開けて食べる瞬間も、この上なく楽しかった。その感覚は大人になった今でも変わらないものだろう。