■ドリームチームで頂点を目指せ…『FF10』ブリッツボール
2001年にPS2で発売された『ファイナルファンタジーX』は、新たなハードの能力を存分に生かした美麗なグラフィック表現と、『FF』シリーズで初となる声優を起用した作品として大きな話題を呼んだ。
本作にも数々の“ミニゲーム”が登場するが、そのなかでも『FF10』を象徴するものといえば、本作で初登場となった「ブリッツボール」だろう。
冒険の舞台となっているスピラでは伝統的な娯楽となっており、選手たちは水中を泳ぎながらボールを奪い合い、得点を競う。我々の世界でいう“サッカー”や“水球”のテイストをかけ合わせたオリジナルスポーツで、主人公・ティーダもこの「ブリッツボール」のエース選手という肩書きを持っている。
ある程度ストーリーが進行するとプレイヤーもこの「ブリッツボール」で遊ぶことができるようになるのだが、各地に散らばるキャラクターたちを“選手”としてスカウトし、オリジナルのチームを編成して戦うこともできるのだ。
各選手には細かくパラメータが設定されており、試合中のポジションごとに適した選手を配置する必要がある。
また、試合運びはアクションゲームさながらの臨場感があり、立ちはだかる相手選手をどうやってかわすか、パスをどのタイミングで通すかなど、その場その場での適切な駆け引きが勝利の鍵を握る。
レベルを上げると“特殊技”を身に着けるキャラクターもいるため、いわゆる“育成ゲーム”としての側面も強い。
そのゲーム性は当時のプレイヤーたちに大いにうけ、後に発売された続編『FF10‐2』にも同様のミニゲームが登場している。
ゲームとしての面白さはもちろん、『FF10』という作品の世界観にもマッチした、印象深いミニゲームだ。
作品ごとの世界観の変化も面白い『FF』シリーズだが、登場する“ミニゲーム”も実に多種多様だ。どれも完成度が高く、本編のストーリーそっちのけでのめり込んだというプレイヤーも多いのではないだろうか。