■『ポケモン』世界の不思議な“食品”事情とは…「ヤドンのしっぽ」
我々の世界の動物とは異なった生態を持つ“ポケモン”たちだが、実は作中ではたびたび、そのポケモンを“食用”として扱っているエピソードが登場している。なかでも有名な一品といえば、“ヤドンのしっぽ”だろう。
ヤドンといえば初代作品から登場しているポケモンで、ピンクの体と常にぽかんとした間抜けな姿が特徴的だ。そのどこか憎めない姿に愛着を持つトレーナーも多いのだが、一方でシリーズを通して“ヤドンのしっぽ”が、ポケモン世界の人々に食用として扱われる描写が登場している。
そもそも、ヤドンはしっぽを水辺に垂らし、そこから滲み出る“うまみ成分”を利用して獲物を釣り上げる……という設定が早い段階から描かれていた。ヤドン自体、痛覚が鈍いのか痛みすら感じていないそうで、さらにちぎれてもすぐに再生することから、とくに気にしていないとのこと。
そんなヤドンの特性を利用し、人間たちもこの“ヤドンのしっぽ”を食用として利用しているのである。
なんと『ポケットモンスター 金・銀』では、ロケット団が“ヤドンのしっぽ”を珍味として売りさばくシーンがあり、プレイヤーたちに大きな衝撃を与えた。
また、のちに発売された『ポケットモンスター サン・ムーン』の舞台であるアローラの人々は、この“ヤドンのしっぽ”を干したあと塩水で煮込み、家庭料理として広く普及させてしまっている。
そのほかのシリーズでも燻製にした“ヤドンのしっぽ”がカレーの具材になっていたりと、ことあるごとに“食用”としての活用方法が登場することとなる。
ポケモンがいる世界独特の食事情があるのは分かるのだが、一方でやはり愛くるしいポケモンを食べる……という部分に、衝撃を受けたプレイヤーは多いのではないだろうか。
明るく、ポップな世界観が楽しい『ポケモン』シリーズだが、不意に登場するブラックな演出は、プレイヤーに強烈なインパクトを与える。唐突に差し込まれる不穏な描写の数々に、トラウマが残ったプレイヤーも少なくないのかもしれない。