■リアルロボットアニメを意識したアクションが斬新だった『重装機兵ヴァルケン』

 最後は、スーパーファミコンで1992年にメサイヤから発売された『重装機兵ヴァルケン』だ。グラフィックは当時としても綺麗で、アニメーションのように滑らかな動きがリアルロボットアニメを意識した作品といえる。

 ストーリーがこれまた壮大で、世界を二分する巨大勢力が月面や大気圏、地上といったあらゆる場所で衝突を起こしてしまう。主人公のジェイクは愛国心もないような若手の中尉だが、ステージの途中で仲間の死を乗り越えて精神的にも成長していき、戦争を終わらせようと“ヴァルケン”を操縦していく。

 コロニー強襲・大気圏突入といったステージや、何度も登場する赤い機体のニヒルな敵ライバルなど、『機動戦士ガンダム』を彷彿とさせる設定は思わず力が入るというもの。ところどころでキャラたちの通信画面が出てくるのもまた面白い。

 通信はステージの中でも表示されるのだが、これを見ながら操縦するので緊張感もある。さらに敵機との対決時にはセリフが入ってバトルも中断され、アニメのキャラが会話するときのようなイメージだ。これもバトルの世界観に入りやすかった。

 ヒロインのクレアが必死に通信でサポートするのだが、ステージクリアで笑顔になるのが可愛かったのもプラスだろう。

 そういえば敵機体を撃破したときには、コクピットから操縦者らしき人が放り出されていたな。ちゃんと脱出できているのは分かったが、あの高さから落ちたら無事では済まないのでは……。

 一般的な知名度はそれほどでもなかったのだが、ロボットゲームとしてかなりの面白さだった本作。当時のスーファミの中でもレベルの高い作品だったに違いない。

 

 さて、ロボットゲームというのはロマンの塊でもある。これらのゲームはパッケージから手に取りたくなる秀逸なデザインで、オジサンになった今でも心がときめいてしまう。

 他にもスーファミの『超攻合神サーディオン』や『機動装甲ダイオン』など、面白いロボットゲームはたくさんあるので、また機会があれば紹介していきたい。

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