■原作にハマった! ミトコンドリアに恐怖した『パラサイト・イヴ』
1998年にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)から発売されたのが、『パラサイト・イヴ』だ。筆者は貴志祐介氏の小説『黒い家』に衝撃を受け、日本ホラー小説大賞の前々回大賞受賞作である瀬名秀明氏の『パラサイト・イヴ』を読んだ。
非常に難しい内容なのだが面白く、『黒い家』同様、ハマってしまった。そんな本作がスクウェアから発売されるとあって、俄然興味が湧いたものだ。
ゲームの舞台は原作の日本からアメリカのニューヨークに変わっており、そのおかげで原作ファンでもあらすじが読めない展開となっている。ミトコンドリアや遺伝子、人体発火の話も出てくるので、原作を読んでいないと一度プレイしただけでは意味が分からないというプレイヤーもいただろう。
それにしても当時は、グラフィックの向上に驚いたものだ。オープニングの自由の女神や、カーネギー・ホールの壮大さ、発火するシーンには強烈なインパクトを受けた。
戦闘システムもFF7のようにATB(アクティブタイムバトル)のようなシステムを採用し、ゲージが溜まるまでの間は敵の攻撃を回避できるようになっている。このゲームも緊張の連続で、肩が凝ってしまったものだ。
これまでスーパーファミコンやメガドライブを楽しんでいた筆者にとって、プレステは画期的な次世代機だった。ホラーゲームも、より怖さや不気味さの演出が過激に感じられた。
それだけに、“怖いけどやめられない”というジレンマで、いつも寝不足になっていた。仕事がなければ、秋の夜長にはホラーゲームをもう一度やりたい……なんて思ってしまうものだな。