1996年に登場した『バイオハザード』によって、ホラーゲームが新たな局面を迎えた。しかも当時は次世代機「プレイステーション」で発売されたことを受け、リアルなグラフィックに緊張感が一層高まったもの。
ホラーゲームはもちろん不気味で怖いのだが、続きをやりたくて寝不足になってしまった……という経験がある人も多いだろう。そこで、秋の夜長にふさわしい「PS1」のホラーゲームを振り返ってみよう。
■霧に覆われた町に怖さが倍増…『サイレントヒル』
まずは、1999年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売された『サイレントヒル』だ。2023年11月1日(日本時間)から『サイレントヒル Ascension』がマルチプラットフォームで放映されるとあって、人気が再燃している。
シリーズでも人気の『サイレントヒル』だが、はじめて登場したときは“コナミ版のバイオ”といったイメージだった。
主人公・ハリーは車の事故に遭い、霧に覆われた田舎町・サイレントヒルではぐれた娘・シェリルを探す。
この霧がまた怖い。筆者の住んでいる地域では、山間部に入ると稀に霧に覆われ視界が遮られる。車の運転中だともはや前方が見えないので、かなり恐怖を感じるのだ。
そんな濃霧で視界が遮られているなか、謎のクリーチャーに襲われるというのはもはや絶望の世界なのだが、娘のためを思ってであれば親は思い切った行動を起こせるものだろう。
全体的に暗い雰囲気が漂うのだが、独特の世界観が魅力的であり、ストーリーは抜群に面白い。怖いシーンもあるが、どこか切なくて哀愁もある。時間を忘れて熱中したものだ。
とくに、看護師・リサのシーンは印象的だった。自分が死んでいることに気付いてハリーに助けを求める……急にBGMも変わり、血まみれになったリサがじりじりと寄ってくるのは怖さと哀しさ、両方の感情が湧き出てきたものだ。
■怖いモノ見たさの女子校生3人組の気持ちがちょっと分かる『トワイライトシンドローム』
次は、1996年にヒューマンから発売された『トワイライトシンドローム』だ。これは探索編(3月発売)と究明編(7月発売)に分かれており、のちに舞台設定を変え、シリーズ化されている。
このゲームはアドベンチャーゲームで、『バイオ』や『サイレントヒル』のようなバトルシーンがあるわけではない。長谷川ユカリをはじめとした女子高校生3人が心霊現象に関する噂を確かめる……という設定で、基本的には3人で行動するものの、ときどき1人になることもある。じわじわと恐怖が滲み出てくるような演出になっているのが特徴だ。
オープニングデモからして、すでに怖い。そして、真夜中の旧校舎を探索するというありがちなパターン……。いつも思うのだが、どうしてみんな夜中に学校へと忍び込もうとするのだろうか。
長年親しんだ学校であっても、夜中に探索するとなると不気味だ。筆者も高校時代、部活後に忘れ物をして21時過ぎに学校に取りに戻った経験があるが、その時点でもすでに恐怖だった。深夜0時を回って探索なんて、普通できっこない。
しかもゲームでは「はじまりの噂」で、真夜中の旧校舎にある女子トイレでおかっぱ頭の少女の霊が現れるというのだ。こんなの怖すぎるだろう。しかも懐中電灯での探索なんだから……。
恐怖で肩に力が入ってしまい、明日は絶対に肩こり間違いないと思いつつもやめられない。そして、ユカリがトイレを済ますと、“何も起きないじゃん”と油断させてからの鏡に映る女の子。いや、これって反則でしょ。思わず飛び上がりそうになってしまったな。