■初々しい悠里役の演技が可愛い『有閑倶楽部』

 一条ゆかりさんの『有閑倶楽部』は、1981年に『りぼん』で連載がスタートした人気作だ。

 本作は2007年に2回目のドラマ化がされており、剣菱悠理役を美波さん、そして有閑倶楽部の男性メンバーを旧ジャニーズ勢の赤西仁さんや横山裕さんが演じたことで話題となった。

 そんな有閑倶楽部の初代実写化は、1986年にされている。主役の悠理役を演じたのは、おニャン子クラブで大人気だった国生さゆりさんだ。当初のドラマを見てみると、まだセリフを言うのも初々しい国生さんがとても可愛い。悠理のキャラクターは喧嘩が強くてじゃじゃ馬だが、国生さんが演じる悠理はあどけなさが残っており、美しいおてんば娘、といったところだろうか。

 80年代に制作されたドラマとあって、時代も感じる。ドラマでは女子高生に絡むツッパリたちが登場し、言葉遣いも懐かしい。また、松竹梅魅録役を演じた豊原功補さんが着るジャケットは、当時流行りのダボダボジャケットだった。

 バブル時代の雰囲気を感じさせる本作は、今になって見るとノスタルジックな魅力が詰まっている。

 

 今回紹介した実写化の主人公たちは、現在も活躍し続ける実力派女優ばかりだ。彼女たちの演技力や個性が、原作漫画に新たな魅力を加えていた。

 そして今回紹介した原作漫画は、いずれも累計売上部数が1000万部以上を記録した少女マンガ史に残る傑作だ。実写化されたドラマと見比べながら、原作を読み返してみるのも面白いだろう。

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