漫画『キン肉マン』やテレビゲーム『ロックマン』シリーズでおなじみの、ファンによる「キャラクター募集」の企画。自分の考えたキャラクターが、実際に作品に登場するかもしれないという、夢のような企画だ。過去の作品ではどのような募集形態でどんなアイデアが採用されてきたのか、見ていこう。
■『仮面ライダー』シリーズのアイデア募集企画
『仮面ライダー』シリーズで一番古いものは、初代『仮面ライダー』の「ちびっ子プロデューサー企画」だ。とはいえ、採用されたシオマネキングはネーミングもスタッフ考案で、応募者による「蟹の化け物」というアイデアだけを残したアレンジデザインだったことを考えると、実質的には1980年10月から放送された『仮面ライダースーパー1』から始まったと考えるほうがいいかもしれない。
『仮面ライダースーパー1』の募集は、同作品の漫画版が連載されていた雑誌『冒険王』で行われる形式となった。佳作20名、優秀賞3名、そして最優秀賞1名には、サイン色紙やブリヂストン自転車などの副賞が贈呈された。そして、最優秀賞に選ばれた作品は、特撮版『仮面ライダースーパー1』に出演し、テレビで活躍できることとなった。
その最優秀賞に選ばれた怪人は「ショオカキング」。テレビ登場回は第45話。タイトルもそのまま『君の考えた最優秀怪人ショオカキング』となっている。
ショオカキングは、元のデザインをそれほど大幅に変えることなく採用されている。口のノズル、胸のハンドル。背中のホースと、特徴的な部分は一通り、そのまま採用となった。
また、ショオカキングは『スーパー1』における最後の一般怪人で、昭和仮面ライダーでは珍しい人間態を持つ怪人となった。扱い的にもかなり優遇された怪人である。作者にとっては、かなりうれしい採用となったのではないだろうか。
募集企画の怪人としては、他にも雑誌『小学一年生』の募集企画から採用された『仮面ライダー555』の「オクラオルフェノク」がある。また『てれびくん』の募集企画で採用された「オヤコドン・ドーパント」は、『仮面ライダーW』の映像作品の他、「エッグアンドチキンメモリ」として玩具化もされた。
■『ロックマン』シリーズのアイデア募集企画
『ロックマン』シリーズでは、『ロックマン2』以降、伝統的にボスキャラのアイデア応募企画が行われてきた。
募集は『コミックボンボン』誌上などで行われ、採用されたデザインは初期8大ボスとしてゲームに登場した。ネタ人気が強い「エアーマン」も、再登場でやたらと強敵だった「ウッドマン」も、全て応募企画の産物である。
また作者には金のカセットが送られたこともレトロゲームファンにとってはおなじみ。過去にはその中の1つである『ロックマン4』の金カセットがテレビ番組『開運!なんでも鑑定団』に出品されたこともあり、その際は40万円の鑑定額となった。
中には『アイシールド21』や『ワンパンマン』の作者である村田雄介氏(ロックマン4のダストマン、ロックマン5のクリスタルマン)や、『エグザムライ』『アナノムジナ』の天野洋一氏(ロックマン7のスラッシュマン)、テレビ番組でよく見る法廷画を描いているイラストレーター・榎本よしたか氏(ロックマン4のブライトマン)といった、今となっては著名人となった人たちによる入選作品も見受けられる。
『ロックマンX』シリーズで応募企画が無くなったものの、『ロックマンエグゼ』で少数ながらも復活。最近ではスマートフォン向けタイトル『ロックマン クロスオーバー』でもオリジナルボスキャラクターコンテストが行われた。