■子どもたちに嫌われた残念で残忍なイケメン…バスコ・タ・ジョロキア
次に紹介するのは『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)から、宇宙帝国ザンギャックの私掠船(※敵船への攻撃と略奪を許可)「フリージョーカー」の船長バスコ・タ・ジョロキア。黒い巻き毛に海賊帽を被り、赤いショールを羽織り白いファーを首に巻いた派手なイケメンだ。
飄々とした態度で人当たりが良さそうに見えるも本性は冷酷非道で、口癖である「何かを得るためには何かを捨てなきゃ」はバスコ独自の理念でもある。
バスコ役の細貝圭さんは出演が決まった際に「完全な悪役のため子どもたちに石を投げられないか心配」と語っていたが、その心配は残念ながら見事に当たり、イベントでは子どもに怖がられたうえ、ゴーカイジャーファンの甥っ子にまで嫌われてしまったそうだ。
■声だけではない!このワイルドなイケメンの正体は?…サー・カウラー
最後は『超新星フラッシュマン』(1986年)で「暗黒のハンター」の異名を持つサー・カウラーを紹介したい。
右目を隠すように伸ばした前髪とヒゲを蓄えたワイルドな容貌、黒いプロテクターに包まれたその姿はどこをどう見てもイケメン。そんな彼を演じたのが『ヘルシング』で吸血鬼アーカードや『巌窟王』のモンテ・クリスト伯爵など、数多くのアニメ作品で活躍している声優の中田譲治さんだ。
中田さんは後の『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)でアザルドの声を担当した際、過去に自身が演じたサー・カウラーの写真をツイッターに掲載しながら「私がフラッシュマンに出ていた頃は、ジュウオウジャーのメンバーはまだ産まれてもいなかったのだな」と呟いていた。
他にも『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の黒獅子リオ、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のザミーゴ・デルマ、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のソノイなどなど、スーパー戦隊シリーズには欠かせないイケメンの敵たち。私見だが筆者は『電磁戦隊メガレンジャー』で派手な衣装とデザインを見事に着こなすDr.ヒネラーが"渋イケ"として強く印象に残っている。
戦隊ヒーローたちの魅力が際立ち、物語に深みが増す裏側には、こうしたイケメン悪役の存在が大きく貢献しているのは間違いないだろう。